東洋紡エムシーは11月20日、BI Marketing and Services Pvt. Ltd(本社:インド・チェンナイ、以下「BI Marketing」)と販売代理店契約を締結し、インド国内で「スパイラル型RO(逆浸透)膜」の販売を開始したと発表した。これを記念したテクニカルセミナーを同国タミル・ナドゥ州チェンナイ市内で開催し、同社が製造販売する中空糸型RO膜「ホロセップ」について、中東地域での長年における販売実績やケーススタディを紹介した。
同社のRO膜事業は1980年代に始まり、海水から真水を取り出す海水淡水化用途や水道水・工業用水から純水を得る用途などで、国内外で採用されている。特に、サウジアラビアでは大型の海水淡水化プラントに採用されるなど、現地の水需要を支えている。
インドで販売を開始したのは、こうした同社の技術を生かして協力会社が製造するポリアミド製のスパイラル型RO膜。海水淡水化用途のほか、潅水の脱塩、廃水の再利用などへの活用が可能で、インド国内ではBI Marketing社を通じて販売を行う。
インドでは、人口増加や都市化の進展に伴い、水需要が急速に高まっている。同社グループは、「2030年のありたい姿」を示した「サステナブル・ビジョン2030」で、「膜による海水淡水化で1,000万人分の水道水相当」を生み出すことを掲げているが、このたびのスパイラル型RO膜のインド市場投入によって、世界の水資源の保全に貢献していくとしている。