BASFが独で追加投資 X3Dテクノロジー生産を拡大

2024年11月25日

ゴムタイムス社

 BASFは11月22日、3Dプリンティングに基づく触媒の新しい積層造形技術である、X3Dテクノロジーの生産能力を拡大するため、追加投資を行うことを発表した。触媒を大規模に生産する工場を、2026年に稼働開始させる予定となる。

 X3Dテクノロジーは、触媒の設計と製造において革新的な飛躍をもたらす。このテクノロジーを用いて製造された触媒は、機械的に堅牢であるだけでなく、オープン構造を特徴とし、表面積を増加させるとともにリアクター内の圧力損失を大幅に低減している。こうした進歩は触媒性能の向上につながり、顧客のプラントの効率向上に貢献する。リアクターの出力向上、製品品質の向上、エネルギー消費量の低減といったメリットがあり、顧客のグリーントランスフォーメーションの目標達成に貢献する。

 X3Dテクノロジーの主な利点のひとつは、その汎用性となる。貴金属触媒、非貴金属触媒、担体などさまざまな触媒材料に使用することを可能にし、その柔軟性を活用して同社はインフィルパターン、繊維径、方向などのパラメーターを微調整している。そして、顧客それぞれの要件に応じて触媒をカスタマイズすることができる。

 同社のプロセス触媒部門シニアバイスプレジデント、デトレフ・ラフは、「当社は、引き続き化学触媒業界のイノベーションをリードすることに尽力していきます。X3Dは、触媒製造技術を大きく前進させるものです。生産性能を向上させると同時に、カーボンフットプリントを削減する機会を新たにお客様に提供できることを誇りに思います。」と述べている。

 同社のカスタム触媒およびイノベーション部門バイスプレジデントのイェンス・ペレーガードは、「当社は、X3D触媒を使用した商業プラントの運転をこの数年で成功させ、目覚ましい成果を上げてきました。このテクノロジーは、比類のない効率と市場投入速度の向上により、グリーン・バリューチェーンと従来のバリューチェーンの両方がもたらす未来を形にしていくでしょう。」と述べている。

X3Dテクノロジーの生産能力拡大のイメージ画像

X3Dテクノロジーの生産能力拡大のイメージ画像

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