ブリヂストンの社内ベンチャーであるブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズは11月27日、ゴム人工筋肉を活用したソフトロボティクス事業の本格的な事業化に向けて、新たにウェルビーイング市場に参入することを発表した。ウェルビーイング市場参入の第一歩として、2024年11月28日~12月20日まで、京王井の頭線・小田急線下北沢駅高架下の複合施設「ミカン下北」にて、様々なパートナー企業と共創し、柔らかいロボット「Morph」を使った「無目的室」Morph inn Shimokitazawaを期間限定で開業しサービス提供を開始する。
同社は、タイヤやホースの開発・生産におけるノウハウを活用したゴム人工筋肉(ラバーアクチュエーター)を用いて、ゴムの力を活かした柔らかいロボットで「ヒトとロボットの協働する柔らかな未来の実現」を目指している。さらに幅広いパートナーとの共創をベースに、ソフトロボティクス事業のビジネスモデル探索を進めている。これまで、ゴム人工筋肉を指に適用したソフトロボットハンド「TETOTE」を開発し、物流倉庫や自動車部品工場に試験導入することで、ファクトリーオートメーション現場などBtoB分野での事業化を推進してきた。今回、新たに「Morph」を皮切りに、BtoC分野のウェルビーイング市場に参入する。
産業用ロボットは、生産性や効率性を追求し速く・正確に・休みなく・力強く動作することが求められている。同様に、現代社会を生きる人々も効率を追求した生活や働き方を意識するようになっている。ブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズは、「ヒトとロボットの協働する柔らかな未来の実現」を掲げ、人がロボットのように働くのではなく、人が「あるがまま」でいることを受け入れてくれる柔らかいロボットを提案する。忙しい暮らしの合間に「人間性を回復」する体験を提供し、人々それぞれのウェルビーイングの実現を目指す。
今後、ブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズは、「無目的室」Morph inn Shimokitazawaを皮切りに「Morph inn」の国内およびグローバルへの展開を計画している。同様に柔らかいロボット「umaru」も実証実験、サービスの提供を開始していく。また、2023年1月の創業からこれまで複数のロボットを開発、その実用性を検証し事業化してきた経験やノウハウを活用し、大企業の新規事業立ち上げに向けたコンサルティングサービスも開始した。ブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズは、今後本格的にサービス提供を進め、「TETOTE」を活用したBtoB事業と「Morph inn」や「umaru」を展開するBtoC事業、さらにはコンサルティングサービスの3本柱で、ソフトロボティクス事業を現在の小規模事業化フェーズから、本格事業化フェーズへと加速させていく。
同社は、ゴムの力を活用し「あなたのカタチに進化する」ソフトロボティクス事業を通じて、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」に掲げる「Empowerment すべての人が自分らしい毎日を歩める社会づくり」にコミットしていくとしている。
ブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズとクリエイター集団Konelが共同で柔らかいロボット「Morph」を2024年4月に開発した。同社のゴム人工筋肉に自然界のモーションを収録・再生するテクノロジーを掛け合わせた「Morph」に体験者が自らをゆだね、ロボットに身をゆだねられる「無になる時間」を提供する。これにより、普段は無意識に制御してしまう感情に向き合い、目的から解放される感覚を味わうことができるとしている。
実験店舗として運営した表参道店(2024年5月)、虎ノ門ヒルズARCH店(同年8月)の反響を受け、2024年11月28日~12月20日まで、下北沢にて「無目的室」Morph inn Shimokitazawaを開業する。これまでの「無になる時間」ニーズへの手応えを受け、「無前」「無中」「無後」というコンセプトを開発、「無になる」価値に共感したパートナー企業と共創し、サウナや座禅、瞑想に次ぐ、新たなカルチャーの創造を目指す。
コンセプト開発の共創パートナー事例として、<無前>は第一三共ヘルスケアのスペシャルドリンク(「無」を深める&「無」から冴えへ誘うドリンク)、<無中>はZAKONE(NTT東日本グループ、エステー)のバーチャル森林浴・ZZZN NATURE/ズズズンネイチャー、<無後>はミカン下北(京王電鉄・京王SCクリエイション・ヒトカラメディア)内のワーキングスペース「SYCL by KEIO」が挙げられている。
同施設の営業時間は11:00~21:00(最終入店20:30)、休日は火・水、基本料金は初回1500円(税込)から。
共創パートナーとして、前述のほかにも、VIE、FAIRGROUND Bar&Wine shop、Art Collective Ochill、日本草木研究所が挙げられている。
同社は、「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョンの実現に向けて、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」を制定した。これを未来からの信任を得ながら経営を進める軸とし、同社らしい「E」で始まる8つの価値(Energy、Ecology、Efficiency、Extension、Economy、Emotion、Ease、Empowerment)を、同社らしい目的と手段で、従業員・社会・パートナー・顧客と共に創出し、持続可能な社会を支えることにコミットしていくとしている。