産総研と旭化成が発現確認 ミドリムシ接着剤の強度

2024年12月05日

ゴムタイムス社

 産業技術総合研究所(以下「産総研」)は12月3日、バイオメディカル研究部門芝上基成キャリアリサーチャー、氷見山幹基主任研究員、センシングシステム研究センター寺崎正研究チーム長が、 旭化成と共同で、 ミドリムシの細胞から抽出される多糖パラミロンをベースとする組成物(以下「ミドリムシ接着剤」)が、自動車構造材用接着剤として使用可能な接着強度を発現することを確認したと発表した。

 ミドリムシ接着剤は、ミドリムシがその細胞内に多量に蓄積するパラミロンを主成分とするバイオベース接着剤。ミドリムシ接着剤は、脂肪酸をパラミロンに付加することで作ることができる。このミドリムシ接着剤は、アルミニウム製自動車用構造材の接着に求められる接着強度を上回る力でアルミニウム板を接着することができる。この接着強度は、石油由来の代表的な自動車構造材用接着剤であるエポキシ系接着剤の一般的な接着強度に匹敵するものであり、これまでに報告されているバイオベース接着剤の接着強度も上回る。
 従来の自動車構造材用接着剤は、接着力は高いがその反面、解体が容易ではなかった。そのため使用済み自動車の解体や部品の再利用は困難であった。これに対してミドリムシ接着剤で接着したアルミニウム板は加熱により容易に解体でき(易解体性)、しかも解体後も再加熱により同程度の接着力でアルミニウム板を再度接着することができる。
 使用済み自動車に由来する廃棄物が環境に与える影響は多大。このことを背景として、使用済み自動車を容易に解体できることと、部品の再利用・再生利用を目的としたELV(End of Life Vehicles、廃車)指令が2000年にEUで発出されている。そのため高い接着強度と易解体性を併せ持つ接着剤が長らく求められていた。今回開発したミドリムシ接着剤は、高い接着強度と易解体性を併せ持つことから、使用済み自動車に由来する環境問題の解決に貢献することが期待される。
 なお、この技術の詳細は、2024年12月5~6日ポルト市(ポルトガル)で開催される「1st International Conference on Bioーjoining」で12月6日に発表の予定。

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