住友ゴムがミライエで振動台実験 能登半島地震級で効果実証

2024年12月13日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業は12月6日、住宅用制震ユニット「MIRAIEΣ」(ミライエシグマ)の実物大の建物での振動台実験を京都大学宇治キャンパスにある京都大学防災研究所で行った。
 実験前にあいさつした同社ハイブリッド事業本部の松本達治副本部長は「当社では能登半島地震発生直後から震度6弱以上の激震エリアにおいて被災状況を調査した。その結果、制震装置を装着した517棟の住宅について全壊半壊がゼロであることを確認した」と制震装置の有効性を報告した上で、地域によっては甚大な被害があったとし「災害に強い住宅を増やすことが地域コミュニティの存続に不可欠であると痛感した。当社では災害に強い社会の実現に向けた製品開発に今後も注力していく」と話した。
 ミライエシグマは住宅の1階部分にバランス良く配置することで地震の揺れを吸収・低減し、震度7相当の揺れに連続9回耐えることが可能な制震ダンバー。設計の自由度と制震効果を両立したことで、国土交通省の大臣認定を取得している。同社独自に開発した特殊な高減衰ゴムが地震発生時に起こる振動を熱エネルギーに変換することで、地震の揺れを吸収・発散させる。高い耐久性(90年間メンテナンスフリー)を誇る上、特別な工具も必要なく、簡単な作業で設置することができるのが特徴となっている。
 実証実験では昨年1月に発生した能登半島地震と同規模の地震波を2回加振し、在来軸組工法の木造2階建の試験体を揺らす実験を行った。
 ミライエを装着していない試験体とミライエ2基を建物1階部分のXY方向(建物を上から見て直交する2方向)の壁部分に設置した試験体で比較を行った。
 実験の結果、ミライエ非装着の試験体は加振2回目で安

松本達治副本部長

松本達治副本部長

建物での振動台実験

建物での振動台実験

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