三菱ケミカルグループは12月13日、植物由来のバイオエンジニアリングプラスチック「デュラビオ」が、2023年10月に発売されたBMWグループ(以下、「BMW 」)7シリーズのキドニーグリルに採用されたことを発表した。DURABIOがBMWの自動車の外装部品で採用されたのは初めてであり、BMWのサステナビリティへの取り組みをサポートしている。
BMWの象徴であるキドニーグリルに、塗装レスで高級感のあるピアノブラックを表現できるDURABIOが採用された。DURABIOの着色剤を配合するだけで光沢のある高度な意匠性を実現し、従来必要であった塗装工程を省き、製造時に発生するVOC(揮発性有機化合物)を低減するという優れた特性が評価された。今回BMWでは黒色が採用されたが、DURABIOは黒色以外でも展開が可能。
DURABIOは、再生可能な植物由来原料「イソソルバイド」を用いて作られるバイオエンジニアリングプラスチックで、枯渇資源である石油の消費量を削減できるうえに、原料となる植物が成長過程で二酸化炭素を吸収するため、温室効果ガスの低減にも貢献できる素材。耐衝撃性、耐傷付き性、発色性に優れ、自動車をはじめとしたモビリティの内外装部品、光学・電子デバイス部材、日用雑貨など幅広い分野へ展開が進められている。
同社グループのEMEAサステナビリティ責任者であるNicole Kambeckは、 「バイオベースの素材は、自動車分野でますます注目を集めており、再生可能原料の入手に限りのある欧州連合(EU)では、温室効果ガス低減のためには柔軟に素材を選択していく必要があります。化石由来と比較して環境面で優れたバイオベースの素材は、EUが推進する政策「Fit for 55」や脱炭素社会の実現に重要な役割を果たすことができます」とコメントしている。
DURABIOは、ドイツの認証機関DIN CERTCOとオランダの認証機関NENにおいてバイオベース製品認証を取得しており、今後もDURABIOの展開を通じたサステナブルな社会の実現に貢献していくとしている。