ＡＤＥＫＡは、樹脂添加剤の新ブランドとして透明化剤「トランスパレックス」（ＴＲＡＮＳＰＡＲＥＸ、製品名アデカトランスパレックスＣＡシリーズ）を立ち上げ、２０２４年11月から米国、アジア圏を中心に販売を開始した。
同社グループでは、今回のトランスパレックスの市場投入により、２０３０年までに同製品を含む透明化剤全体の連結売上高を３００億円超とし、透明化剤世界シェアナンバーワンを目指すとしている。
トランスパレックスは、プラスチックの一種であるポリプロピレンに少量添加することで世界最高の透明性を実現する透明化剤。トランスパレックスの主な用途としては、電子レンジ加熱に対応した透明性の高い食品容器、耐薬品性が求められる医療器具（注射器・シリンジ、フェイスガード）や化粧品ボトル、自動車部材などの様々な市場の要望に応えることができる、今までにない透明化剤となっている。
ポリプロピレンは、一般的な透明樹脂であるポリスチレンやＰＥＴに比べて透明性が低いプラスチック。しかし、同社ではトランスパレックスを添加することでポリプロピレンの結晶構造を従来品以上に微細化できる新しい分子構造を設計することで、ポリスチレンやＰＥＴに匹敵する透明性を実現した。
ポリプロピレンでは、カーボンフットプリントの削減や耐熱性・耐薬品性などの機能的なメリットを出せるプラスチックであり、これに透明性をプラスすることでポリスチレンやＰＥＴからポリプロピレンへのシフトを加速していく。
同社は１９５４年に合成樹脂の実用において必要不可欠な塩ビ用可塑剤「アデカサイザー」を販売開始した。その後は汎用樹脂やエンプラなど様々な樹脂向けに汎用品から高機能製品に至るまで多様な製品ラインナップを取り揃える総合樹脂添加剤メーカーとなっている。グローバルに生産・開発・販売拠点を持ち、樹脂添加剤分野では世界シェア２位グループに位置している。２０２０年には、環境対応型樹脂添加剤「アデカシクロエイド」を市場投入し、リサイクル樹脂やバイオプラスチック等の普及拡大を進めている。
ポリプロピレンにトランスパレックスを 0.1%添加した試験片（1mm）
