年頭所感 日本ホース金具工業会 酒井洋和会長

2025年01月04日

ゴムタイムス社

 2025年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

 12月9日に発表された2024年7~9月期の実質GDP成長率は、前期比0・3%増(年率換算1・2%増)でした。民間在庫の増加や企業による底堅い設備投資、民間住宅投資の堅調さが要因のようです。11月の内閣府の月例経済報告では「雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、アメリカの今後の政策動向、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。」と先行きを予見しています。
 大手需要先である建設機械(本体合計)は、1~10月累計で国内が前年同期比3・5%減、輸出が同12・4%減、合計が同9・8%減でした。直近の10月は国内が3・1%減と3カ月連続の減少、輸出は11・7%減で9ヵ月連続の減少、合計では9・0%減で9ヵ月連続の前年同月比マイナスとなりました。
 工作機械の1~10月受注額は、国内が前年同期比9・5%減、輸出が同2・1%増、合計は同1・7%減ですが、10月は3ヵ月ぶりのプラスとなりました。国内は全11業種中9業種が前年同期比を割っており、輸出は欧州向けが前年同期比18・4%減(構成比18・5%)、アジア向けが同19・3%増(構成比49・5%)、北米向けが同6・8%減(構成比29・0%)となっています。
 さて、当工業会の需給状況ですが、2024年1~10月の出荷実績は525億円で同95%となっています。内訳は産業用ゴムホースが408億円で同94%、自動車用ゴムホースが31億円(同92%)、樹脂ホースは61億円で同98%、付属金具は26億円で同102%でした。
 今年も依然として続く国際政情不安による原油・原材料高、物価高、労働力不足と先行きの不透明感が漂う状況にあり、加えて温度上昇による自然災害の頻発で地球規模の高変動リスクへの取り組みが急務になっています。これらの課題が早く解消され、良い年になることを祈念しております。
 当工業会の昨年度の事業活動ですが、例年通りホース及び継手関係のISOの審議に積極的に参画して参りました。
 ISO/TC45(液圧用ゴムホース及びプラスチックホース)関連では、昨年10月に奈良でおこなわれた国際会議をはさみ4回の国内審議会が開催されました。
 ISO/TC131(油圧・空気圧システム及び要素機器)関連では、昨年は4回の国内審議会が開催され、5月には東京で国際会議が開催されました。
 本年もTC45、TC131ともに国際会議が通常開催されますので、日本の考え方をISOに反映させて日本規格の国際化を推進する活動をさらに進めて参りたいと存じます。

酒井洋和会長

酒井洋和会長

 

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