GSIクレオスのグループ企業であるセントラル科学貿易は12月17日、NPCの新製品である微生物迅速検査装置「バクテスター」に関して、包括的な業務提携契約を締結し、国内外における同装置の製造および販売を担うことを発表した。
これまで産業用微生物検査においては、古くから培養試験法が用いられてきたが、検査に丸二日の時間を要すうえ、専門的な知識や技術、検査室などの設備が必要など、実効性における欠点があった。また、食品衛生法の改正にともない、2020年6月より食品を扱う全事業者に対してハサップに沿った衛生管理が義務化されたことで、従来の最終製品の抜取検査による管理方法から、工程ラインの要所における衛生状態管理が求められるようになった。これらの背景により、近年、より実効性の高い迅速検査法の需要が急速に高まっている。世界の微生物迅速検査市場の規模は2023年で約48億ドルと記録され、2036年までに148億ドルに達すると予測されている。
NPCは、調剤薬局を中心とした医療・介護関連事業を展開するニックのグループ企業で、2014年の設立以来、食と環境への取り組みとしてバクテスターの開発・製造および細胞検査試薬の開発・販売を行っている。NPCが開発したバクテスターは、国際特許技術を用いた軽量・コンパクトな微生物蛍光画像測定器で、場所や時間を選ばず、専門的な知識や技術、設備も要さずに、わずか5秒で一般細菌数を測定することができる、画期的な装置。測定と同時に記録も行うことができるためHACCP管理に大変便利であると同時に、衛生管理における時間とコストの大幅削減を可能としている。
セントラル科学貿易は創業57年の理化学機器全般を扱う専門商社で、各種研究機材や分析装置、医療機器などを世界(北米、欧州、韓国、中国など)から輸入して国内の大学や研究機関、医療機関などに販売している。これまで様々な微生物迅速検査装置を取り扱ってきたが、NPCのバクテスターは高い機能性に加え、低価格、さらに日本薬局方収載検査法であることなどから将来性が高いと判断し、2019年から国内にて取り扱いを開始した。
同社グループにおける今後の海外展開の可能性を模索する中、NPCが初号機の課題をクリアした量産機BACTESTER MP1を来春に発売することを契機に、このたび包括的な業務提携を行い、協働でバクテスターの拡販に取り組むこととなった。
今後は、同社グループのリソースを最大限に活用しながらバクテスターの量産体制を構築するとともに、同社グループの強みであるグローバルネットワークを駆使して、同装置を全世界に向けて拡販していく。また、試薬等の消耗品の開発・製造・販売や関連ビジネスの創出も検討しながら、同社グループが主体となるバリューチェーンの構築を目指す。
バクテスターを世界的に普及させることで、フードロスの削減、微生物汚染の予防、水質の衛生管理等を通じて、人びとの健康と持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。