年頭所感 発泡スチロール協会(JEPSA) 大久保知彦会長

2025年01月03日

ゴムタイムス社

 明けましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 2025年の年頭にあたり、発泡スチロール協会(JEPSA)の活動に対し旧年中に賜りました皆様のご支援とご愛顧に厚くお礼申し上げます。
 昨年を振り返りますと、元日に発生した石川能登地震、9月には豪雨災害と同じ地域において2度も大きな災害が起こりました。被災者の方々にお見舞い申し上げるとともに早期に復興されることをお祈りいたします。
 世界に目を向けますとイスラエル・ガザ戦争、ウクライナへのロシア侵攻と政情不安が続いており、また「円安」による原燃料高騰などにより、当協会を取り巻く環境は大きく影響を受けました。さらに、海水温上昇による水産分野の漁獲量減少や夏場猛暑の影響による農作物不作により需要が大きく減ったことも影響し、国内EPS原料出荷量は前年対比で95%(1月~11月比較2024年87千t)と落ち込み、我々発泡スチロール業界においては厳しい一年となりました。
 その中で、世界的な資源循環の動きにあわせて、日本では「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が2022年4月に施行されています。当協会はこの法律に対して、リサイクル設備の助成制度を拡充する方向性を打ち出し、更なる使用済みEPSの資源循環、海洋プラスチックごみの低減に貢献してまいります。
 発泡スチロール協会は、発泡スチロールのリサイクルを目的として設立された「発泡スチロール再資源化協会」発足から34年を迎えました。1991年設立当時のリサイクル率は12・6%でした。その後、回収拠点の整備、拡大と広報活動を進めることで、2023年は92・0%まで引き上げることができています。2020年からはリサイクル率を有効利用率に呼称変更し、使用済みEPSの有効利用率100%を目指すことを目標に掲げ、関係各位のご協力を仰ぎながら推進しております。
 JEPSAの活動ビジョンは「発泡スチロールの優れた特性で地球環境を守ります。」としております。「持続可能な社会」の実現に向けて発泡スチロールの特性を活かした製品のご提案と普及、また、リサイクル率を更に高めることにより発泡スチロールの「資源としての有効利用率の向上」を目指しております。
 発泡スチロール協会の目的は、発泡スチロールは少ない資源を有効に活用していること、省エネに貢献する商品であること、リサイクルに代表される有効利用率が非常に高いことから脱炭素社会と循環型社会に大きく貢献することを世界に広め、発泡スチロールの需要を拡大することにあります。
 「発泡スチロールの優れた特性で地球環境を守ります。」というビジョンに基づき、近年は容器包装資材だけでなく、断熱性、耐久性、軽量性を活かした土木・建築資材、家電部材に加え、住宅設備部品、自動車部品、輸送容器等の物流資材、クッション芯材等の生活資材など長期間の使用用途向けの商品の比率が高まっており、新しい用途も拡大してきています。これからも資源の有効活用を推進し、地球環境に貢献する需要創造に努め、皆様のニーズに応える新たな商品を提供してまいります。
 今後とも皆様方のご支援を賜りますようお願い申し上げます。末筆になりましたが、皆様方の益々のご発展とご多幸をお祈り申し上げ、年頭のご挨拶とさせて頂きます。

大久保会長

大久保会長

 

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