年頭所感 日本自動車タイヤ協会 山本悟会長

2025年01月02日

ゴムタイムス社

 2025年の年頭に当たり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 2020年に世界的な感染の拡大を見せた新型コロナウイルス感染症への対応は、今ではほぼ日常生活の中に溶け込んだように思えます。人々の移動をともなう活動も大きく回復し、最近の街角では多くの外国人観光客を目にします。実際、訪日外国人旅行者数は過去最速で3千万人を突破しており、この勢いが続く2024年は2019年を上回り過去最高を記録することが予想される状況となっています。もちろん留意すべき点は多々あるものの、社会は危機を乗り切ったといっていいのではないでしょうか。

 一方で、2022年2月の勃発から3年が過ぎようとしているロシアによるウクライナ侵攻の戦火は、未だ途絶えることがありません。また、イスラム組織ハマスによるイスラエル襲撃に端を発した両者間の紛争激化も、その終着点を見通すことは困難です。さらに、つい最近のシリア、アサド政権の崩壊は、中東全域を不安定化させています。加えてトランプ新政権の誕生も世界に大きな影響を及ぼすと思われます。これらの事により世界はさらに不安定化に向かうのか、それとも紛争の解決に向かうのか、全く予断を許さない状況です。

 先の見通せない不安定な世にあっても、人々の営みは絶えることなく続きます。こうした営みの中には、経済活動も含まれます。我々は、自動車タイヤの供給という経済活動を通じて、人々の営みの中でも強く希求される「モビリティ」の実現に貢献しています。自動車はモビリティの主役であり、自動車タイヤはこれを支える最重要な商品の一つです。自動車が社会的、技術的にどのような変革の波に洗われようとも、タイヤのこの位置付けが変わることはありません。

 同時に、自動車タイヤの供給という我々の活動の達成すべき目標が「安全」と「環境」であることも変わりません。電動化をはじめとした自動車の技術進化の中でより高度な安全をいかに実現するか、これは我々にとって永遠の課題です。また社会は、人々の営みの全ての側面においてサステナビリティを求めます。自動車タイヤの供給という活動においても、全く同様です。社会が求める安全と環境を高い次元で両立させて実現する、これこそが我々が求めてやまない世に提供すべき普遍的な価値です。

 JATMAは、この普遍的な価値の提供を通し、グローバルなモビリティの発展に貢献していきたいと願っています。2025年においても、山積する課題の解決に向けて着実に歩みを進めていきます。関係する皆様方の変わらぬご支援、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

山本悟会長

山本悟会長

 

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