積水化学工業は12月20日、材料開発におけるマテリアルズ・インフォマティクス(MI)の推進に向け、独自のMIアプリ「RASIN」の正式運用を開始したと発表した。
MIアプリ「RASIN」では、短期間で効率的に材料特性や知見を見出すことが可能なMI技術を研究開発者自身が活用し、材料開発の効率と質を向上させることができる。同社グループの材料開発分野の知見や実績を活かして、持続可能な社会を目指したデータ駆動型材料開発の基盤構築を目指す。
同社は、サステナブルな社会の実現と企業としての持続的な成長の両立を目指す「Vision 2030」実現に向けた施策の一環として、MI専門部署の支援によるMIを活用した革新的な材料開発に取り組んでいる。その成果として、さまざまな新材料の材料開発のスピード向上や高度化を実現してきた。
また、MI専門部署以外の研究開発者を対象とした教育プログラムを提供し、各部署での自律的なMI活用や、全社での活用拡大に向けた取り組みを推進してきた。
今回開発した独自のMIアプリ「RASIN」は、これまでMI専門部署が蓄積してきた技術を、すべての研究開発者が活用できるようにしたもの。同社グループ内における「RASIN」の展開により、材料開発のさらなる効率化・高度化を進め、同社グループ全体でイノベーションの創出を加速する。
MIアプリ「RASIN」の特徴は3点。1つ目は、完全内製で、プログラミング技術が不要なノーコードアプリであるという点。2つ目は、人材育成プログラムと連動した利用者教育が可能という点。3つ目は、実践を通して学ぶことができるサポート体制であるという点となる。
今後は、MIアプリ「RASIN」の活用を通してMI技術の理解を深めた研究開発者に向けたさらなる機能の導入や、より専門的なMI技術教育プログラムの提供を行い、同社グループのMI技術活用を一層進めていく。
2024年12月23日