【新年インタビュー】TOYO TIRE 清水隆史社長

2025年01月05日

ゴムタイムス社

■ 新年インタビュー

不断の改革と柔軟性で強靭化を図る年に

TOYO TIRE 清水隆史社長

 「原点回帰。不断の改革と柔軟性で強靭化を図る年」を25年のスローガンに掲げるTOYOTIRE。年末記者会見で清水隆史社長は24年を振り返りながら、25年における事業方針などを説明した。

 ◆24年を振り返って。

 「変化に対し迅速かつ柔軟に適用する力を強化していく」ことを中計21の方針として、様々な外部環境の変化に対応してきた。その結果、来年度着手として掲げた目標も既に多くの項目で達成を捉えている。これに慢心することなく、さらに自らの力を押し上げ、事業運営の在り方も常に改善し続けていく。
 昨年11月に発表した24年度第3四半期業績は、当社最重要市場である北米をはじめ、日本、欧州などグローバルで取り組んだ重点商品の販売強化が業績を下支えし、1~9月の売上高は累計で過去最高を更新した。
 利益面では海外輸送費等のコスト抑制、為替の円安メリットも追い風になり、営業利益、経常利益も第3四半期として過去最高を更新した。これまでの業績動向等を踏まえて、通期の営業利益を860億円、経常利益を820億円、当期純利益を600億円にそれぞれ上方修正した。

 ◆事業活動について。

 米国工場では生産性の向上が急務となっていたが、必要な人材の確保と計画的な設備メンテナンスを進めている。製造基盤の再整備に注力を続け、安定稼働に取り組んでいく。また、ロサンゼルスドジャースとスポンサー契約を締結した。スタジアム内などの看板等により、ブランド認知向上に大きな手ごたえを感じることができた。欧州では、セルビア工場は徐々に生産能力を上げ、いよいよフル生産する体制が整ってきた。
 また、昨年11月にはセルビアに販売統括会社を設立した。現在の欧州統括会社に基づいている販売統括機能を2025年度中にセルビア新会社に移管し、ドイツ、オランダ、イタリア、イギリス各国に点在している販売機能を新会社に集約する。さらに、セルビア工場の敷地内にR&Dセンターを新設し、ドイツR&Dセンターの機能の一部を移管する。これにより、欧州全域における製販技の事業体制をセルビアに一元的に集積し、欧州における事業経営基盤をさらに強固とし、柔軟かつスピーディーな事業展開を目指していく。

 ◆25年について。

 25年は中計21の最終年度となる。ゴールに向かう道筋は整えつつあり、掲げた目標に向かいラストスパートをかける1年になる。各生産拠点が持つ能力を最大化し、グローバル生産体制をさらに確固なものにしていく。取り巻く環境は依然として不確実性が高く、戦略的な判断と柔軟な対応力が一層求められる。我々は原点に対する意識を強く持ち、改革を続け、しなやかに柔軟性を駆使していく必要があると考えている。

清水隆史社長

清水隆史社長

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