住友化学は12月24日、中国における大型液晶ディスプレイ(LCD)用偏光フィルム事業を、湖北三利譜光電科技と北京梧桐投樹嘉豊企業管理コンサルティングが出資する現地偏光フィルムメーカーに譲渡することを発表した。これに伴い、本事業に関連する同社連結子会社2社について、連結範囲から除外される。事業譲渡および子会社の異動の実施時期は、2025年3月31日を予定している。本再編に伴う2025年3月期通期業績予想の修正はないとしている。
同社は、中国における大型LCD産業の伸長に伴う偏光フィルムの需要拡大に対応するため、2009年に住化華北電子材料科技、2016年に旭友電子材料科技を設立し、ピーク時には中国大型LCD用偏光フィルムを売上収益1000億円規模の事業へ成長させた。
しかしながら、昨今の中国における大型LCD用偏光フィルム市場の成熟化など、事業環境の変化を踏まえ、当該事業の将来にわたる持続的成長を図るために、ベストオーナーの観点から再編を検討してきた。今般、現地偏光フィルムメーカーへの持分譲渡を含む本再編が最適であると判断した。
同社は技術優位性を生かせる分野へのシフトを進めており、OLED・車載用途等高機能分野での売上をこの数年で大きく増加させた。当該分野は今後も高い成長が見込まれており、引き続き開発、サプライチェーンの整備に注力し、偏光フィルム事業の収益拡大に努めていくとしている。