ゴム企業トップの年頭所感 「挑戦・変革の歩みを止めない」 

2025年01月14日

ゴムタイムス社

 気候変動や地政学リスク、エネルギー需給など不確実性が高い状況が続くなかでスタートした2025年。それら課題に加え、慢性化する人手不足や環境規制への対応も横たわる。そのなか、ゴム企業のトップが発した年頭所感からは、これら課題に対応するための施策を示しつつ、挑戦や変革の歩みを止めない決意を読み取ることができた。
ブリヂストン・石橋グローバルCEO

 今年は経営の3軸である「過去の課題に正面から向き合い、先送りしない」「足元をしっかり、実行と結果に拘る」「将来への布石を打つ」は変えずに、引き続き経営・業務品質の向上を最優先としながら、「価値創造へ、よりフォーカス」するとともに、「守り」と「攻め」の両輪で経営を推進する。自動車、及びタイヤ業界における構造変化の加速が見込まれる環境において「守り」を優先し、ビジネス体質を強化する。事業再編・再構築(第2ステージ)も、もう一段強化し、強いビジネス体質の構築を図る。
住友ゴム工業・山本社長

 25年の全社方針は次の3点。第一の方針は「中期計画を着実に実行し、成長に向けた活動に舵を切ろう」だ。25年は中計計画におけるターニングポイントと位置付けており、目標年度とする2027年までの中間に当たる。 25年中に構造改革対象事業すべての目途付けを完了させる。第二の方針は「全社でイノベーションを生み出し、競争力を強化しよう」だ。そして第三の方針は「多様な社員が力を合わせ、果敢に挑戦できる組織にしよう」だ。社員が活き活きと働き、それぞれの力を存分に発揮できる、果敢に挑戦できる組織、社員の思いをひとつにし、力を合わせチームで成果を上げていく組織作りを推進する。
横浜ゴム・清宮社長
 タイヤ事業においては、地域単位でのトレンドをしっかり意識したマーケティングと、ここ数年来強化してきた販売力により、高付加価値品比率最大化を目指しブランド価値向上と拡販を進める。
 サステナビリティ経営では計画の策定に合わせて、グループを取り巻く事業環境や社会課題の変化を踏まえマテリアリティの見直しを実施した。事業活動が社会や環境へ与える影響と社会や環境が事業活動にもたらす影響の双方を考慮して各分野でのマテリアリティを特定し、持続可能な企業価値向上につなげる。
TOYO TIRE・清水社長

 当社は25年8月、会社の歴史の大きな節目として創立80周年を迎える。90周年、100周年という将来への大事な通過点となります。また、2025年は中計21 の最終年度でもある。ゴールへの道筋は整いつつあり、目標へ向かってラストスパートをかける1年、そして、さらにその先を見通して基盤づくりに取り組む1年となる。
 25年は「原点回帰。不断の改革と柔軟性で強靭化を図る年」というスローガンを掲げた。世界のお客様からさらに愛され、ご期待をいただける企業となるよう役員・従業員一人ひとりがしっかり力を発揮していく。
豊田合成・齋藤社長

 25年は事業計画で定めた諸施策を確実にやり切り、次へのステップを駆け上がる年とするため、従来のレベル・延長線を超えて「変える・変わる・チャレンジする」をキーワードに、世界の交通事故死亡者ゼロに向けたセーフティシステムの開発・提供と車の進化に対応し、より快適なモビリティに貢献する新たな製品づくり、脱炭素、循環型社会の構築に向けた、ゴムや樹脂分野のコア技術を活かしたCO2低減やリサイクルの推進、従業員一人ひとりのヤル気とゲンキを引き出し、それぞれの組織を活性化させることによるウェルビーイングの実現などに注力していく。
住友理工・清水社長

 コアコンピタンスである「高分子材料技術」と「総合評価技術」を最大限に活用し、社内外の技術交流を活発化させ、製品開発をさらに加速していく。カーボンニュートラルの実現に向けたサステナビリティ経営を推進し「理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディングカンパニー」を目指す。
 25年は中期経営計画「2025年 住友理工グループ中期経営計画」の最終年度を迎える。変化の激しい事業環境でも掲げた財務目標および非財務目標を達成し、経営基盤を強化するとともに、グループの社会的価値を一層高める使命を果たしていく。
バンドー化学・植野社長

 当社グループは、「人と社会を支え、今と未来をつなぐBEST PARTNER」で在り続けるべく、中長期経営計画の2年目として「価値創造」「スマートものづくり創造」「未来に向けた組織能力の進化」の3つの指針のもと、持続的な企業価値向上を目指した取り組みを進める。
 25年、当社グループの在りたい姿を漢字一文字で表すとすれば、「陽」(ヨウ 、ひ・ひなた)の年にしたい。 当社グループの一人ひとりが、心は晴れやかに、明るく元気な年にしてもらいたいと心から願っている。
三ツ星ベルト・池田社長

 21年度から取り組んできた国内外での生産・物流拠点再編の効果が出てきたことに加えて、過去から全社で取り組んでいる原価低減活動が業績に寄与している。これからも引き続き、手を緩めず、営業活動の強化と、26年度を第1ステップの最終年度として計画している生産・物流拠点再編をやり遂げ、最終目標である2030年度の「ありたい姿」に向かって、全社員が一丸となり、全力で取り組んでいく。

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