日本ゴム工業会は1月20日、都内の経団連会館で、新年初となる第296回理事会を開催した。会員の異動や昨年1―11月期のゴム製品生産、輸出入実績などが報告されたあと、本年の新ゴム消費予想量が発表された。主力のタイヤは11年実績見込み比横ばいながら、ベルト・ホースなど工業用品類が約8%伸長、その他製品類も微増ながらプラス成長が見込まれ、ゴム製品全体では146万8800㌧、同1・6%増と予想された。また、低炭素社会実行計画(経団連)への対応も震災の影響で中断していたが、直ちに再開することが承認された。
理事会は浅井会長の年頭あいさつで開会した。浅井会長は「昨年は震災、台風、海外ではタイの洪水など自然災害に見舞われた一年だった。今年は自動車生産の回復に期待したいが、欧州経済の危機問題や円高の継続、東電の電力料金値上げなども発表され、不透明感が一層増すことも予想される。企業トップのリーダーシップが試される年になるのではないか」などと述べた。
議案審議に入り、会員・役員の異動に関する件、ゴム製品の生産、輸出入状況が報告され、本年の新ゴム消費予想量が発表された。
12年の新ゴム消費予想量については、主要製品の生産見込みを積み上げ、全体では146万8800㌧、前年実績見込み比1・6%増と小幅ながら増加予測となった。品種別ではタイヤ類が120万4640㌧、同0・4%増、ゴムベルトは2万9580㌧、同6・8%増、ゴムホースは3万9140㌧、同10・9%増、その他製品類は1万6910㌧で同1・2%増となった。(詳報は次号)
また、震災の影響で一時検討が中断された経団連の要請に基づく「低炭素社会実現実行計画」の対応も再開が決まった。二酸化炭素削減の2020年削減目標や主体間連携の強化、交際貢献の推進、革新的技術の開発などが主な骨子。2月下旬までに常任理事会で審議、対応が図られる。
労務、資材関係の報告が行われ、議事が終了、付帯行事として昨秋、叙勲の栄に輝いた浅井会長の功績をたたえ、祝賀会が開かれ、理事会が終了、会場を移して懇親パーティが開かれた。