昨年の能登半島での地震や豪雨災害に対し、被害に遭われた皆様に改めて心からお見舞い申し上げるとともに、被災地における1日も早い復興と、穏やかな日々が訪れることを心から願います。
1.帝人フロンティアにとっての2025年
昨年は、パリオリンピックの開催やメジャーリーグでの大谷選手の大活躍など明るい話題も多かったが、ウクライナや中東での武力衝突の長期化やアメリカ大統領選挙、中国経済の減速、円安と物価上昇の継続など、先行きの不透明感が強まった一年でもあった。こうした中、帝人フロンティアにとって2025年はどのような年になるのか2つ話したい。
■1つ目は、繊維業界の再編の動きについてである。昨年は、大手メーカー・商社による繊維事業の撤退・縮小が相次いで発表された。より収益性の高い分野にシフトするための決断だったと考えるが、一方で、私たちは、繊維産業を今後も成長する分野と捉えている。衣料品から自動車に至るまで繊維は人々の暮らしのあらゆるシーンを支えており、国内外のさまざまな社会的ニーズに応えることで、私たちはここまで成長してきた。今年は、自社の技術力や多様性・総合力といった強みを改めて見つめ直し、この強みをさらに磨き上げ、繊維業界を牽引する確固たるポジションを築きたいと考える。
■2つ目は、資源循環に関する社会変化についてである。関係省庁より、繊維製品の環境配慮設計のガイドライン、リサイクル素材の定義と表示の標準化などについて、具体化を目指すことが公表された。当社も大手SPAや自治体と衣料品リサイクルの取り組みを進めているが、こうした取り組みが、国のサポートによって大きく進展する期待が高まっている。特に、今年はリサイクルポリエステル繊維「エコペット」の販売開始から30周年という節目の年である。私たちが長い年月をかけて磨いてきたリサイクル技術の優位性を広く周知し、資源循環を推進するリーダーシップを発揮したい。
2.社員にお願いしたいこと
チャレンジ無くしては、成長は無いということを意識して欲しい。今年は、現中期計画の最終年度であり、足元の業績は好調に推移しているが、次のステージに立つためには、更なる高みを目指す新しいチャレンジが不可欠である。皆さんの各職場で新しいチャレンジを考えてもらい、新規ビジネスや新規顧客の開拓を進めて欲しい。チャレンジこそが、成長の原動力である。
3.最後に
今年の4月13日から大阪・関西万博が開催予定であり、当社が本社を置く大阪が大いに盛り上がることを期待している。この万博のキーワードは「共創」であり、「他者への共感を育み、多様な文化や考えを尊重しあうことによって、持続可能な未来を構築する」ことをテーマにしている。私たちも、社員同士の共創、取引先との共創によって、数多くの新たな価値を作り出す年にしたいと思う。