東拓工業(大阪市西区、中西俊博社長)は1月7日、沖縄県うるま市に所在する沖縄工場を同市内に移転すると発表した。稼働は2025年10月を予定しており、生産能力は1・5倍以上に向上する。半導体製造装置向け耐熱ダクトホース製品などを新たに生産するとともに、県外への販売も強化していく。
同社は2012年に沖縄工場(沖縄県うるま市州崎7―20)を開設し、那覇空港の拡張工事や県内の多数の橋梁建設など、多くのインフラ整備や公共事業向けに地中埋設電線保護管やPC橋梁用ケーブルダクトなどの製品を供給してきた。今回の移転により、生産効率と生産能力のさらなる向上を目指し、生産と在庫管理を同一工場内で統一し製造から出荷までの一貫体制を整備する。これにより生産能力は1・5倍以上に向上し、より効率的かつ安定した供給が可能となるとしている。 また、移転後は新たに土木用排水パイプと半導体製造装置にも用いられる耐熱ダクトホースの製造を開始する。これまで沖縄県内の需要が中心となっていたが、県外への販売も強化し、地域発展および国土強靭化に引き続き貢献していく。
移転後の沖縄工場の製品ラインナップ。主力製品の「TACレックス」と「ポリエチレン製シース」に加え、新たな製品「TACプレス」「TAC耐熱ダクト」を生産する。製品ライナップ「TACレックスの用途は、電気・通信ケーブルを地中埋設する場合の電線保護管。メガソーラー発電所や風力発電所といった再生可能エネルギーの設備で使われ、クリーンエネルギーの普及をサポートする。
「ポリエチレン製シース」の用途は、PC(プレストレストコンクリート)橋梁用ケーブルダクト。海に囲まれた地域で建設されるPC橋梁に使用され、塩害対策やインフラ設備の長寿命化を支援する。
「TACプレス」の用途は、土木造成工事用暗きょ排水管。「TAC耐熱ダクト」の用途は半導体製造装置向け耐熱ホース。半導体装置に組み込まれることで機械作動時の熱排出やクリーンルームなどの低発塵を要求される環境での送・排気ダクトとして最先端の設備を支える。
東拓沖縄工場の概要。移転予定地(沖縄県うるま市)、移転後設備(土地 5200㎡、建物1500㎡)。今後のスケジュール(予定)。2025年2月着工予定、2025年8月完成予定、2025年10月稼働予定。
2025年01月08日