カネカがESM社を子会社化 医療機器の共同開発進める

2025年01月10日

ゴムタイムス社

 カネカは1月9日、イスラエルの医療機器会社であるEndoStream Medicalの株式を2024年12月23日に96・8%取得し、子会社化したことを発表した。同社のモノづくりとESM社の技術との融合により、現在開発中の動脈瘤治療用デバイス「Nautilus」に加え脳血管内治療を中心に新たな医療機器の共同開発を進め、2030年に売上200億円以上を目指す。

 ESM社は、脳血管疾患分野で革新的な技術を有するメーカーであり、長年、治療現場が待ち望んでいた脳血管の広い開口部をもつ動脈瘤の治療が可能な脳動脈瘤治療用デバイス「Nautilus」を開発中。このデバイスは、特殊な構造により塞栓コイルとの併用で瘤への血流を遮断し、既存デバイスでは困難であった治療を容易にする。
 本製品は、2024年11月の欧州での薬事承認に続き、2026年春は米国、その1年後に日本での承認・上市を計画している。

 同社は、心臓・末梢血管疾患および脳血管疾患の治療デバイスや、消化管疾患の治療に用いる医療機器など、幅広い分野で事業を展開している。中でも、成長分野である脳血管疾患分野では、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤の破損を予防する塞栓コイル「iーED COIL」や、脳梗塞の経皮経管的脳血栓回収用機器「Tigertriever」を展開しており、さらなる成長に向けて、製品ポートフォリオの拡充を進めている。これらMedical事業を含むHealth Care Solution Unitで2030年には3000億円の売上を目指す。

 同社は、「カネカは世界を健康にする。KANEKA thinks 『Wellness First.』」という考えのもと、すべての人に先端医療が当たり前に普及する世界、地球環境と生活の革新にカガクが貢献する世界を実現していくとしている。

脳動脈瘤治療用デバイス「Nautilus」①

脳動脈瘤治療用デバイス「Nautilus」①

脳動脈瘤治療用デバイス「Nautilus」②

脳動脈瘤治療用デバイス「Nautilus」②

 

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