三洋化成、フジッコで採用 匂いセンサーが品質検査補助に

2025年01月15日

ゴムタイムス社

 三洋化成工業は1月14日、同社の匂いセンサー『FlavoTone』が、フジッコにて、昆布製品の品質検査の補助機器として採用されたことを発表した。

 製造現場における品質検査は、依然として検査員の嗅覚や視覚などの官能検査に依存しているケースが多く、ばらつきが生じやすいという課題を抱えている。特に臭気検査においては、検査員ごとの感じ方の違いや体調による影響などにより、安定した評価を維持することが難しい現状がある。このような課題を解決するため、品質管理のデジタル化が求められている。

 同社の匂いセンサー『FlavoTone』は、匂いを迅速に数値化し、外的要因の影響を受けにくく、多様な匂いを識別することが可能。学習型システムを搭載しており、データの蓄積により検査精度が向上する。これにより、従来の官能検査をデータにより補完し、検査のばらつきやミスの低減が期待される。さらに、判断基準の見える化と標準化が進むことで、熟練検査員の技術伝承や複数拠点間の一貫した品質管理にも寄与することが見込まれる。
 こうした特長が評価され、今回の採用に至った。本機器の導入により、フジッコでは品質管理のさらなる強化と効率化が期待されている。

 同社では、今後も品質検査のデジタル化に向けた技術開発を進め、測定・解析支援やさらなるシステムの改善・拡充に取り組んでいく。将来的には、他の製造業界や異なる生産ラインへの展開を視野に入れ、顧客の生産性向上と品質管理の効率化に貢献していく予定。

『FlavoTone』

『FlavoTone』

 

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