デンカは1月15日、ペガサス・テック・ベンチャーズと共同で運営するコーポレート・ベンチャー・キャピタルファンドを通じて、ウェアラブル電子聴診器を開発するスタートアップ企業Aevice Healthへ出資したことを発表した。
Aevice Health社は、慢性の呼吸器疾患である喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の疾患管理方法の改善を目指したデジタルヘルスのパイオニア企業。AI技術や電子聴診器技術を活用して、呼吸の異常音、呼吸数、心拍数を精密に分析する独自のスマートウェアラブル電子聴診器「AeviceMD」を用いたリモートモニタリングプラットフォームを開発し、現在シンガポールおよびアメリカ合衆国にて事業を展開している。
今回の出資を通じて、同社がヘルスケア分野で取り組む「予防・診断・治療」の領域において、Aevice Health社が持つ呼吸器疾患に関するAI技術や電子聴診器技術と、同社の強みである感染性呼吸器疾患や免疫学に関する技術や知見を融合させて、同社のデジタルヘルスに対する取り組みのさらなる深化を図り、医療課題の解決を目指していく。さらに、呼吸器疾患や関連疾患領域における新たなAI技術の共同研究開発にも取り組んでいく。
同社は経営計画「Mission 2030」において、世界各国の最先端の技術を持つスタートアップ企業への出資や提携を行うことで新規事業創出を推進するために、2023年1月にCVCファンドを設立した。CVCを通じた取り組みには、2030年度までに最大で約1億米ドルの投資を計画している。
同社はこれからも、「化学の力で世界をよりよくするスペシャリストになる」というパーパスのもと、世界に誇れる化学で、人々の暮らしと社会に貢献し続けるとしている。