日精樹脂、米テキサス工場拡張 超大型機組立可能な工場に

2025年01月20日

ゴムタイムス社

 日精樹脂工業は1月17日、グローバル生産体制強化の一環として、米国テキサス工場(Nissei America)における生産能力の増強を図るため実施してきた工場の拡張工事を完了し、25年2月より増築スペースの稼働を開始すると発表した。今回の増築スペースは2841m2(既存スペースを含めた工場全体の建屋面積1万3521m2)。となっている。
 米国工場は、北米市場に向けて大型射出成形機を安定的に短納期で提供するため、16年11月に生産子会社を設立し、18年3月より工場の稼働を開始した。開業当時の米国では、第一次トランプ政権における対中国の追加関税や米国内への生産回帰の動きが強まる中で、同社はメイドインUSAのハイブリッド式大型射出成形機の組立てを着々と進め、これまでに200台以上の米国製大型機を北米・中南米市場に送り出してきた。
 これまでは、型締力5500kN(560トン)~1万2800kN(1300トン)までの大型機の生産を行ってきたが、北米市場では自動車産業や住設・建築資材向けを中心に、さらなる超大型機設備への要望が多く寄せられていた。23年3月に米国工場の拡張を決定、この増床工事により同2万9400kN(3000トン)クラスの超大型機まで組立可能な工場に増強した。
 同社は、射出成形機のグローバルサプライヤーとして「より市場に近い生産基地で、各市場ニーズに合った最適機種を生産・供給していく」との方針のもと、日本、中国、タイ、米国、イタリアの世界5極によるグローバル生産体制を構築している。
 米国では第二次トランプ政権のスタートを目前に控え、日本を含めた世界各国ではトランプ大統領の関税引き上げに注目が集まっているが、同社にとっては、今回の工場増強によりメイドインUSAのラインナップを拡充し、米国市場におけるプレゼンスをさらに高めることが可能と考えている。米国現地法人のNissei Americaは、2021年に製販一体運営の体制を整えていることから、引き続き顧客のニーズにきめ細かく的確に応え、顧客満足度の向上を図っていくとしている。

工場建屋外観①

工場建屋外観①

工場建屋外観②

工場建屋外観②

増築スペース内部

増築スペース内部

 

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