東レが中国で事業拡大 高機能樹脂のコンパウンド生産

2025年01月24日

ゴムタイムス社

 東レは1月23日、中国における樹脂事業統括会社である東麗塑料/Toray Plastics(China)において、耐熱性や耐薬品性、機械強度などに優れ、自動車の電装部品や電気・電子用コネクターなどに使われる高機能樹脂のコンパウンド生産拠点の新設を決定したことを発表した。現地生産子会社の東麗樹脂科技/TorayResins(Foshan)に、コンパウンド設備を導入し、2025年4月からの稼働を目指しす。
 なお、今回の新設に伴い、既存の樹脂コンパウンド拠点である東麗塑料/Toray Plastics(Shenzhen)からの一部生産移管を予定している。

 中国経済は、足元では回復ペースが鈍化しているものの、引き続き年率約5%の成長が見込まれる有望な市場。中でも自動車市場は、世界最大の市場であり、さらなる成長が見込まれている。NEV(環境対応車)向け政府支援も積極的に進められており、自動車用途を主とした高機能樹脂の需要拡大が予想される。特に、近年の環境規制強化によるNEVの拡大により、顧客の要求特性の高度化が進み、同社が得意とする高機能材料のニーズが高まることが予想される。

 今回の生産拠点新設は、その動きに対応して、高機能樹脂の安定供給力を強化することを目的としている。同社は、伸長するNEV用途を中心に、先端通信を含む電気・電子用途、ソーラー発電用途など、今後拡大が期待される中国華南地区での高機能樹脂の需要拡大をいち早く確実に取り込み、中国での一層の事業拡大を目指す。

 同社は、中期経営課題「プロジェクト APーG 2025」の基本戦略の一つとして、「価値創出力強化」を推進している。今後、本拠点を中国内需のみならず、東南アジアを主とするグローバルオペレーションの拠点としても活用していく計画。引き続き海外拠点の拡充と、有機的な連携をさらに強化し、グローバルでの事業拡大を推進していくとしている。

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