積水化成品が市場展開を加速 非フッ素系のポリマー材料

2025年01月30日

ゴムタイムス社

 積水化成品工業は1月28日、非フッ素系ポリマー材料「Fluxflow」について、さまざまな材料への分散剤使用を想定し開発を進めており、リチウムイオン電池(LiB)向けに需要拡大が想定されるカーボンナノチューブ(CNT)の分散効果を確認したことを発表した。

 「Fluxflow」は、同社のポリマー構造制御技術を駆使して分散剤やバインダー(結合剤)などで求められる新たなニーズに応える、液状あるいはワックス状の非フッ素系ポリマー材料。
 PFAS規制のリスクがあるフッ素系界面活性剤を用いることなくPTFE粒子の高濃度分散を実現できる素材として開発し、市場ワークを進めている。

 「Fluxflow」は、バイオミメティック技術を応用し、ムール貝の接着構造であるカテコール基を取り入れたポリマー構造であることから、多様な物質に対する分散効果を想定していた。
 この度、本材料のポリマー構造を最適制御することで、難分散性粒子として知られるCNTや無機フィラーなどの分散効果を確認した。特に、CNTは軽量かつ高強度で電気や熱の伝導率が高いことから、電子機器および電池材料など、さまざまな用途への適用が期待されており、その機能を最大限発揮させるために、CNTの均一な分散体が望まれている。

 同社は、独自のポリマー制御技術を駆使して、他の難分散性粒子についても分散を実現し、市場拡大を図る。本内容は2025年1月29~31日に東京ビッグサイトで開催される「nanotech2025 第24回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」にて紹介している。

カーボンナノチューブ分散例

カーボンナノチューブ分散例

 

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