TBMは12月27日、2024年の世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で発表した、カーボンリサイクル技術を活用した低炭素素材「シーアールライメックス」の販売を開始したと発表した。
今回、販売を開始する「シーアールライメックス」は、CO2由来の炭酸カルシウムと再生プラスチックを組み合わせた、射出成形対応の素材となる。
同社が開発した「シーアールライメックス」は、排ガス由来のCO2と工場から排出されるカルシウム含有廃棄物等を低環境負荷プロセスで化学合成したCCU炭酸カルシウムを主原料としている。
副原料である樹脂部分には工場から排出される廃プラスチックを再資源化した再生プラスチックを使用しているため、カーボンニュートラルへの貢献とプラスチックの資源循環を推進し、従来の汎用バージンプラスチックと比較して環境負荷の低減が可能。同素材開発については既に国内特許を取得し、CO2固定化技術の先進的な実用化を実現した。
今後同社は、鉱物由来の炭酸カルシウムを主原料とする従来のLIMEXの普及を促進しながら、CO2の固定化技術による「シーアールライメックス」の普及と新たな用途開発を進め、同時にカーボンクレジットの創出も目指していく。
「シーアールライメックス」の特徴は4点。
1点目は、排ガス由来のCO2を化学合成したCCU炭酸カルシウムとして固定化することで、素材全体の約25%(重量比)にCO2を含んでおり、製品に使用した場合は、焼却処理をしない限り、排ガス由来のCO2の長期固定化が実現できる点。
2点目は、副原料となる樹脂部分に、廃プラスチック由来の再生プラスチックを使用することで、カーボンリサイクル技術によるCO2の有効活用だけでなく、プラスチックのマテリアルリサイクルを通じた資源循環にも寄与する点。
3点目は、バージンプラスチックと比較して、原材料調達・ペレット製造・焼却時における、温室効果ガス(GHG)排出量は約34%、石油由来プラスチックの使用量は約34%の削減が見込め、脱炭素や資源保全にも貢献する点。
4点目は、これまでLIMEXの開発で培ってきた炭酸カルシウムの制御技術を活用することで、「シーアールライメックス」においても既存のプラスチック製品の成形設備による安定した製品化が可能という点となる。
2025年01月31日