NOKの2025年3月期第3四半期業績は、売上高が5891億600万円で前年同期比3・8%増、営業利益は311億7300万円で同77・2%増、経常利益は413億600万円で同36・3%増、四半期純利益は289億2600万円で同36・9%増となった。
セグメント別にみると、シール事業の売上高は2730億200万円で同0・8%減、営業利益は189億9100万円で同16・0%増となった。
自動車向けについては、販売の主要な指標である日系自動車の生産台数が前年同期と比較して減少した。日本国内での生産台数の減少に加え、海外では、電気自動車が伸長している中国市場で日系自動車の販売が引き続き低調であるほか、ASEANでは主要市場のタイで継続している自動車ローンの厳格化などが自動車需要に影響を与えている。
一般産業機械向けでは、欧米のインフレーションや中国の不動産不況などにより、消費や設備投資が影響を受け、需要の低迷が続いている。セグメントの売上高は、為替による押し上げ効果があったことにより、微減にとどまった。
一方、売価転嫁等の価格改定活動の推進に加え、原材料価格等の変動費の良化により、営業利益は増加した。
電子部品事業の売上高は2907億2500万円で同7・0%増、営業利益は102億9100万円(前年同期は9億3700万円の営業利益)となった。ハードディスクドライブ向けがデータセンター向けの需要回復等により増加した。一方、スマートフォン向け、自動車向けが減少した。自動車向けにおいては、グローバルの自動車メーカーに対する電動自動車のバッテリー用途向けの販売が増加したものの、他の用途向けが減少した。売上高の増加ならびに品目構成の変化などにより、営業利益は大幅に増加した。
その他事業の売上高は253億7800万円で同22・5%増、営業利益は18億9500万円(前年同期は2億9700万円の営業利益)となった。
2025年3月期通期業績は前回発表した数値から上方修正した。売上高は7557億円(前回予想7455億円、増減率1・4%増)、営業利益は353億円(同319億円、同10・7%増)、経常利益は458億円(同387億円、同18・3%増)、純利益は302億円(同228億円、同32・5%増)を見込んでいる。
2025年02月10日