ダイセルの25年3月期第3四半期連結決算は、売上高は4325億4500万円で前年同期比4・4%増、営業利益は432億4500万円で同2・8%減、経常利益は447億9500万円で同7・0%減、四半期純利益は440億4200万円で同0・4%減となった。
セグメント別では、エンジニアリングプラスチック事業の売上高は1868億2800万円で同10・2%増、営業利益は205億5900万円で同69・6%増となった。ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどポリプラスチックスの事業は、自動車や産業機器向け、電子材料向けなどの販売数量の増加や為替の影響などにより増収となった。
水溶性高分子、包装フィルム、AS樹脂などダイセルミライズの事業は、2024年7月から樹脂コンパウンド事業を持分法適用会社ノバセルへ移管したことにより、減収となった。
マテリアル事業の売上高は1291億6200万円で同2・4%減、営業利益は191億1600万円で同34・4%減となった。アセチル事業の酢酸は、主要誘導品の酢酸ビニルや高純度テレフタル酸の需要が引き続き低調であることに加え、原料(一酸化炭素)プラントの初期トラブルにより販売調整を実施したことで販売数量が減少し、減収となった。
アセテート・トウは、堅調な需要が継続しているものの、一部顧客の在庫調整の影響などにより販売数量が減少し、減収となった。
ケミカル事業の酢酸セルロースは、液晶パネル市場が調整局面に入った影響により偏光板向けの販売数量が減少したものの、アセテート・トウ原料向けなどの販売数量が増加し、増収となった。
25年3月期通期の連結業績予想は、直近に公表されている業績予想からの修正はなく、売上高6000億円で同7・5%増、営業利益600億円で同3・8%減、経常利益600億円で同12・3%減、当期純利益510億円で同8・7%減を見込んでいる。
2025年02月10日