不二ラテックスの25年3月期第3四半期連結決算は、売上高が54億9900万円で前年同期比3・9%減、営業利益は1億9100万円で同49・0%減、経常利益は1億6700万円で同53・3%減、四半期純利益は9700万円で同62・2%減となった。
セグメントのうち、医療機器事業の売上高は20億3800万円で同12・6%増、セグメント利益は3400万円で同81・0%増となった。主力のコンドーム事業は、栃木工場におけるコンドーム製造事業の停止及び同工場の閉鎖決定を受けて生産調整に入り前期比減収となったが、新素材コンドームSKYNや体外診断用医薬品をはじめとしたヘルスケア商品群の売上が好調に推移したほか、医科向けのメディカル製品も堅調に推移し、全体で増収となった。利益面ではコンドーム製造事業の停止に伴う一時的な費用が発生したが、好調なメディカル部門の下支えもあり、セグメント利益は増益となった。
精密機器事業の売上高は29億3600万円で同6・3%減、セグメント利益は5億1500万円で同21・0%減となった。精密機器事業においては、中国をはじめとする海外経済の減速を背景に、世界的な設備投資停滞傾向や一般産業機械市場の低迷が続いており、受注回復に力強さが戻ってきていないため、減収となった。利益面では、売上減少に伴う減益に加えて、労務費の上昇や生産調整に伴うコスト増加を価格転嫁や赤字取引条件の見直しなどで吸収できず、前期比、計画比ともに減益となった。
25年3月期通期連結予想は前回公表を修正した。売上高は71億6900万円(前回予想81億円、増減率11・5%減)、営業利益1億8200万円(同5億4000万円、同66・3%減、経常利益1億4600万円(同5億1000万円、同71・4%減)、純利益2億1200万円(同2億9000万円、同26・9%減)を見込んでいる。
修正理由は、売上高は主に海外経済の減速及び生産設備需要低迷の与える影響が精密機器事業において想定以上となったことや、SP事業における納期遅延等の発生に伴う売上減少を回復できず、連結売上高は前回公表予想値を下回る見込み。
連結営業利益及び連結経常利益についても売上減少による影響に加えて、栃木工場におけるコンドーム製造事業の停止及び同工場の閉鎖決定に伴う関連費用の計上により原価率が大幅に上昇したことから、前回公表予想値を大幅に下回る見通しとなった。親会社株主に帰属する当期純利益は、保有有価証券の売却による特別利益の計上を進める一方で、前述の栃木工場における希望退職者の募集、建物等の減損、一部設備除却等に伴う費用を特別損失として計上してきたが、直近の工場閉鎖対応の進捗状況を精査した上で、関連費用の計上を見積り修正した。
2025年02月10日