エンプラは北中米で車用途拡大 東洋紡の4~12月期

2025年02月17日

ゴムタイムス社

 東洋紡の25年3月期第3四半期連結決算は、売上高が3142億2900万円で前年同期比2・2%増、営業利益は101億7500万円で同103・8%増、経常利益は55億3400万円で同131・0%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億2100万円で同54・2%減となった。 
 セグメントのうち、環境・機能材の売上高は835億円で同3・1%減、営業利益は56億円で同87・1%増となった。樹脂・ケミカル事業では、エンジニアリングプラスチックは、北中米向け自動車用途の販売が拡大した。水現像型感光性印刷版用途の光機能材料は、中国や東南アジアを中心に販売が増加した。
 環境・ファイバー事業では、環境ソリューションは、リチウムを濃縮回収するためのBC(BrineConcentration)膜装置の販売が寄与したが、EV市場減速の影響により、リチウムイオン電池セパレータ製造工程で使用されるVOC回収装置の出荷が減少した。高機能ファイバーは、海外需要を着実に取り込み、堅調に推移した。不織布マテリアルは、国内生産体制の見直しが進み、収益性が改善した。
フィルムの売上高は1249億円で同6・4%増、営業利益は38億円で同155・9%増。包装用フィルム事業では、新製品の開発費用などコスト上昇の影響を受けたが、荷動きは緩やかに回復したことに加え、原燃料価格や物流費などに対する製品価格の改定が進捗したことで、収益性は回復基調にある。工業用フィルム事業では、セラミックコンデンサ用離型フィルムは、本格的な需要拡大に至らなかったことに加え、新機台の立上げ費用が増加した。液晶偏光子保護フィルム「コスモシャインSRF」は堅調に推移した。
 通期予想については、直近に公表されている業績予想から修正はなく、売上高は4350億円で前期比5・0%増、営業利益は170億円で同89・0%増、経常利益は115億円で同65・2%増、親会社株主に帰属する当期純利益は26億円で同5・9%増を見込んでいる。

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