川口化学工業㈱の11年11月期決算(連結)は、売上高が70億1400万円、営業利益が1 億4600万円、経常利益が1億4600万円、当期純利益が1億2800万円となった。
同社グループは、震災への対応として生産に必要な原材料や人員の確保並びに夏季の電力制限への生産対応を適時に実施することで供給能力の確保を行い、生産供給体制の強化ならびに在庫の最適化を進めるとともに、主力のゴム薬品環境用薬品・機能性化学品の拡販や新製品戦略を行った。 部門別で見ていくと、ゴム薬品の分野は、中国をはじめとする東南アジア各国の生産活動の拡大が今期に入っても継続したものの、国内においては震災が大きな影響を与えたが、6月から回復に転じ、9月以降の国内自動車生産と販売台数は前年と比較して増加となった。同社の主要顧客であるタイヤ・ゴム工業用品・合成ゴムの生産活動は震災発生以降の国内自動車生産の減少の影響を受けたが、タイヤならびに合成ゴム生産が堅調であったことや自動車生産が回復に向かったことと合わせ、生産販売に注力したことにより売上を伸ばした。
また輸出では、販売活動を強化し維持拡販に努めたが、円高の影響や中国をはじめとする東南アジアの市場の拡大が減速に転じたことにで売上が減少した。この結果、売上高は43億2200万円となった。
樹脂薬品の分野では、期初においては主要需要先である国内外のアクリル酸・アクリル酸エステル・ABS樹脂・MMA等の生産拡大により需要は増加したものの、6月以降国内需要減少や海外市況の低迷により樹脂生産が減産に転じたことに加え、円高の進行により内外において競争が激化した。また東日本大震災による自動車の減産に伴い一部品目において売上の減少があったが、その後の生産回復にあわせ拡販に注力し、輸出についても受注拡大した。この結果、売上高は9億5400万円となった。
次期の業績予想は、売上高が73億7000万円で前期比5・1%増、営業利益が1億7000万円で同16・3%増、経常利益が1億5000万円で同2・7%増、当期純利益が1億1000万円と見込んでいる。 なお、当連結会計期間が連結財務諸表の作成初年度であるため、対前期比較は記載していない。
2012年01月23日