三菱ケミらが連携協定締結 プラ容器循環目指し6者間で

2025年02月17日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルと、茨城県鹿嶋市、リファインバース、東洋製罐グループホールディングス、キユーピー、カスミは2月14日、6者間で、茨城県内におけるプラスチック容器の循環を目指すことを目的に、同日に包括連携協定を締結したと発表した。
 同取り組みは「プラリレープロジェクト」と称して、6者それぞれがプラスチックをリレー形式で繋ぎ、循環を目指す実証実験プロジェクトとなる。
 同協定は、自治体と回収業者、素材メーカー、容器メーカー、食品メーカー、小売りがそれぞれの強みをいかした日本初の資源循環を目指す取り組みとなる。
 同取り組みでは2025年夏ごろを目途に、鹿嶋市内で排出された使用済みプラスチックをリファインバースで回収・一次加工し、三菱ケミカルが新設したケミカルリサイクルプラントにて再資源化する。その再生プラスチックを東洋製罐グループにて容器を製造、キユーピーにて製品化、カスミにて販売し、再度回収するという、循環の実証実験を行う予定。
 実証実験の前後の期間では、鹿嶋市内の公立小中学校にて、プラスチック資源の調査学習や各社のプラント見学、リサイクルに関する教育プログラムなどを行う。
 また、2026年3月までに実証実験や取り組みで見えた課題点やフィードバックを基に、6者共同で「プラスチック容器の循環に関する検証レポート」を作成・発表する予定となる。
 同取り組みでは、生活に身近なドレッシングのキャップや中栓を対象にケミカルリサイクルの循環プロセスを構築する。鹿嶋市の公立小学校を対象にドレッシングのキャップや中栓の回収実験を行い、回収されたキャップや中栓をリファインバースで一次処理し、三菱ケミカルにて油化、日本ポリプロ・日本ポリエチレンにて樹脂化、メビウスパッケージングにて再度ドレッシングのキャップや中栓に成型、キユーピーにて製品を製造後、カスミ鹿嶋スタジアム店にて販売し、また鹿嶋市民の手元に戻ってくるという一連の循環サイクルを実現する。対象商品の販売は2025年夏ごろを予定している。
 同取り組みの目的は、特定地域内でのクローズドループを実現するための座組を確立することにある。2025年に実施する実証実験を通して、必要な廃棄物の質と量、再資源化の課題、各種必要な認証や手続き、リサイクル商品の顧客への訴求、リサイクルに必要な費用とその回収方法など、さまざまな課題を検証する。その上で、各業界や自治体と新しいルールづくりを推進していく。

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