日本ゼオンと横浜ゴムは2月17日、植物原料由来などのエタノールからブタジエンを高効率で生成する技術を実証するためのベンチ設備をゼオン徳山工場(山口県周南市)内に建設することを決定したことを発表した。ベンチ設備は、2026年から稼働を開始し、ブタジエンの確保並びに量産に向けた各種データを収集していく。
本取り組みは2022年に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発」に採択された2つの研究開発テーマの内のひとつ。ゼオンと横浜ゴムは、産業技術総合研究所、東京科学大学(旧東京工業大学)、および理化学研究所の協力の下、2030年代に植物原料などからブタジエン、イソプレンを高効率で生成する2つの技術の社会実装を目指しており、今回のベンチ設備は「エタノールからの高効率ブタジエン合成」に基づくもの。
今回実施する実証実験は、植物原料由来などのエタノールを高効率な触媒によってブタジエンに変換する技術を実証するもので、植物原料由来などの合成ゴムを量産化する技術確立の第一歩となる。ゼオンはベンチ設備で生成したブタジエンからポリブタジエンゴム(ブタジエンゴム)を試作し、横浜ゴムはそのブタジエンゴムを使用したタイヤの試作および走行テストを実施し、大規模実証に向けたデータ収集を行う。
ゼオンと横浜ゴムは、今後も培ってきた技術やノウハウを融合することで、タイヤ・ゴム産業におけるサーキュラーエコノミーとカーボンニュートラル化を推進し、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。