タイヤ４社の24年12月期通期連結決算が出そろった。為替や価格ＭＩＸなどが奏功し、４社とも増収増益となった。
◆ブリヂストン
売上収益は４兆４３００億９６００万円で前期比２・７％増、調整後営業利益は４８３３億３００万円で同０・６％増、当期利益は２８４９億８９００万円で同14・０％減だった。
タイヤ事業は、ＰＳ／ＬＴの売上収益（小売・クレジットカード事業含む）が２兆４８５９億円で同５％増、調整後営業利益は２８２３億円で同３％増。ＴＢ（リドレッド事業含む）の売上収益は１兆２２８億円で同１％増、調整後営業利益は５７９億円で同横ばい、スペシャリティーズ（鉱山用、飛行機用、二輪車用タイヤが含まれる）の売上収益は６２３６億円で同１％減、調整後営業利益は１３８９億円で同２％増だった。
24年度の調整後営業利益の増減要因は、原材料で１１０億円、売値で60億円、数量で４１０億円、加工費で２１０億円、南米事業で４１０億円の減益要因となったのに対し、ＭＩＸで１８０億円、営業費で１５０億円、為替で５９０億円、その他で３０７億円の増益要因となり、差し引き27億円の増益となった。
◆住友ゴム工業
売上収益は１兆２１１８億５６００万円で同２・９％増、事業利益は８７９億４１００万円で同13・２％増、当期利益は98億６５００万円で同73・４％減だった。売上収益、事業利益は過去最高を更新したほか、タイヤ事業の売上収益も過去最高となった。
タイヤ事業の売上収益は１兆４６３億９４００万円で同４％増、事業利益は７６１億８１００万円で同19・８％増。24年度の連結事業利益の増減要因は、直接原価が１１６億円、原材料78億円、スポーツが46億円、固定費41億円、経費30億円、価格が17億円が減益要因となったが、数量・構成他が２７３億円、為替１３５億円など増益要因で、計１０３億円の増益だった。
◆横浜ゴム
売上収益は１兆９４７億４６００万円で同11・１％増、事業利益は１３４３億７９００万円で同35・６％増、営業利益は１１９１億５７００万円で同18・７％増、当期利益は７４９億１９００万円で同11・４％増。売上収益は初の１兆円超えを達成した。
タイヤ事業の売上収益は９８０８億９６００万円で同12・１％増、事業利益は１２７１億５７００万円で同38・２％増となった。事業利益の増減要因はタイヤ事業では為替差が79億円、販売量で89億円、物流費等で８億円、製造価格で40億円、価格／ＭＩＸで１０６億円、ＹＯＨＴで８億円、ＹーＴＷＳが73億円の増益要因となり、原料価格で26億円、固定費で26億円の減益要因でタイヤ事業は３５１億円の増益。ＭＢで14億円の増益だったが、その他で13億円の減益となり、総合計では３５３億円の増益となった。
◆ＴＯＹＯ ＴＩＲＥ
売上高が５６５３億５８００万円で同２・３％増、営業利益は９３９億８１００万円で同22・２％増、経常利益は１０２１億１７００万円で同18・７％増、四半期純利益は７４８億１０００万円で同３・５％増となった。売上高は前年度を上回り、過去最高を計上した。重点商品の販売促進や為替など外部環境の追い風により、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも過去最高を記録した。経常利益は初めて１０００億円を超えた。
24年12月期の営業利益の増減要因は、販売要因で１２３億円、為替で１０１億円、海上運賃等高等影響で80億円、セルビア工場で37億円、自動車部品事業で17億円の増益要因となった。製造コストで46億円、販管費で34億円、原材料で１０６億円の減益要因で合計１７１億円の増益だった。なお、24年12月期のタイヤ事業の売上高は５１９８億３２００万円で同２・８％増、営業利益は９２０億８９００万円で同20・０％増だった。
