三洋化成がヘッドレストカバーに採用 JALの機内シートで

2025年02月27日

ゴムタイムス社

 三洋化成工業は2月25日、子会社であるサンノプコが開発した木粉配合の高機能テキスタイル『モックテックス』が、JALグループのサステナブル・チャレンジ企画「OLU OLU! Honolulu!」の機内シートのヘッドレストカバーに採用されることを発表した。

 国内森林資源の有効活用と環境負荷低減を目指し、国産木材の未利用材をアップサイクルした『モックテックス』は、木の温もりや機能性(通気性・消臭性)と、本革の質感を融合した革新的な素材。国内森林・環境とのつながりと、木のここちよさを提供するという『モックテックス』のコンセプトが、JALグループが提唱するサステナビリティの理念や、「OLU OLU! Honolulu!」が目指す、「関係・つながり」の創造や「OLU OLU!」の提供という方向性と合致したことから、今回のコラボレーションが実現した。

 日本では、50年以上の樹齢を持つ人工林が過半数を占めており、未利用木材の有効活用と森林資源の適正管理が社会課題となっている。この課題に応えるべく、サンノプコは国産木材の未利用材を活用した高機能テキスタイル『モックテックス』を開発した。

 『モックテックス』の特長は以下の3点が上げられる。
 一つ目は、「国産木材の未利用材を有効活用」で、国産木材の未利用材をアップサイクルすることで、国内森林資源の有効活用を実現。森林整備の促進や地域経済の活性化に貢献する。
 二つ目は、「高いバイオマス度」で、最大80%の植物由来素材を使用し、カーボンニュートラルの実現に寄与。
 三つ目は、「多機能性」で、木材本来の通気性や消臭性を活かした独自の素材設計。木の温もりを感じられる質感とともに、本革のような高級感ある外観と柔軟な触感を融合。長期間の使用により、より深みのある風合いを生み出す(エイジング)。高い木粉配合比率を実現するための、サンノプコ独自の分散技術や消泡技術を駆使した高機能設計。

 今回のJALサステナブル・チャレンジ企画での採用は、2週間のイベント期間限定ではあるが、『モックテックス』にとって、可能性を広げる重要な実績。これを機に、サンノプコは引き続き『モックテックス』のさらなる進化を追求し、多様な分野への展開を促進するとともに、社会課題の解決と環境負荷の低減に貢献していく。
 同社グループはこれからも、化学のちからで化学の枠を越えてイノベーションを起こし、社会課題を解決する新たな価値創造を加速させていくとしている。

『モックテックス』が採用された機内シートのヘッドレストカバー

『モックテックス』が採用された機内シートのヘッドレストカバー

 

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