三井化学は2月26日、日本化学会より、令和6年度の化学技術賞を受賞したと発表した。化学技術賞は、日本の化学工業技術に関して、創造性と成果が特に顕著な業績に対して授与されるもので、昨年度に続き、2年連続の受賞となる。
今回の受賞は、1点目、超高分子量ポリエチレンの強度やパウダー形状を本質的に向上させるシングルサイト担持触媒を創出したこと、2点目、帯電制御技術を駆使した独自の製造プロセスを構築し、微粒パウダーの工業化を達成したことの2点が高く評価されたもの。
受賞名は、第73回(令和6年度)化学技術賞、業績名は、超高分子量ポリエチレン微粒パウダーの製造技術開発、受賞者は、同社研究開発本部生産技術研究所主席研究員齋藤奨氏、主席研究員村田進氏、ICTソリューション研究センター主席研究員三川展久氏、岩国大竹工場製造二部生産技術G主席部員松川直人氏、CTO室主席部員中山康氏となる。
商品名は、ミペロン、一般名は、超高分子量ポリエチレンで、特長は、数百万以上の平均分子量を有する超高分子量ポリエチレン微粒子であり、真球に近い精密な形状と微細な粒径(10µm)、極めて狭い粒度分布を実現している点となる。その他、フィルムや塗料材料への添加で、基材の摺動性や耐摩耗性、耐久性、静音性を大幅に向上しており、また、優れた耐薬品性を備え、酸やアルカリ環境下でも高い安定性を発揮し、炭素と水素で構成された高分子のため、PFAS代替材料として活用可能という点となる。主な用途は、日用品、自動車用品、フィルム・塗料用改質剤、PFAS代替材料などとなる。
ミペロンは、同社が長年培ってきた触媒技術や重合技術に加え、独自の帯電制御技術を駆使し、新たな生産プロセスによって誕生した超高分子量ポリエチレン微粒子。この微粒子を添加することで、各種プラスチック製品の摺動性や耐摩耗性、耐久性、静音性を大幅に向上させることができる。
従来の技術では実現が難しかった超高分子量ポリエチレンの微粒子化を、同社の新技術により10µmの極小サイズかつ真球に近い形状で実現した。これにより、フィルム製品や塗料コーティング材料など、薄膜・薄層への応用が可能になった。
同社は、ミペロンのユニークな特性を活かし、サステナブルな社会の実現に向けて新製品開発を加速し、新たな価値を創造していく。
2025年02月27日