三井化学と商業施設・文化施設などの空間づくりをおこなう丹青社は2月27日、丹青社の空間づくりのノウハウと三井化学の最先端のテクノロジーを組み合わせ、より豊かな空間体験を提供することを目的とした協業を行っている中で、三井化学グループの超高分子量ポリエチレンの成形加工メーカーのパイオニアである作新工業とともに、物販店などでのメンテナンスコスト削減とサステナブルな店舗づくりに向けた取り組みとして、壊れにくくメンテナンスがしやすい耐粉塵性底引きスライドレールを開発し、店舗での実証実験を開始したことを発表した。
本実証では、良好な滑り特性に加え、摩耗しにくく埃や粉が付着しにくい特性を持つ、作新工業のSaxinニューライトを活用し、既存のスライドレールの代替品となる壊れにくい什器用レールを開発した。製品の耐久性試験(JIS S1200)において、故意に粉塵を追加する実験も実施し、耐久性を確認したのち、半年間のプレ実験とレールの改良を行い、都内の小売店2店舗の什器の引き出し各10ヵ所に耐粉塵スライドレールを設置して、引き出し回数の調査、対象店舗での使用感のアンケート・ヒアリング調査を行い製品の耐久性や実用性の検証を行う。
今回採用したSaxinニューライトは樹脂でありながら非常に良好な滑り特性を有しており、実用上従来のベアリングタイプのスライドレールと同等の力で操作できる。また、摩耗しにくい特性、静電気で埃を吸着しにくい特性を備えており、長期間使用時の耐久性に優れた素材。
本実証での検証結果をふまえ、三井化学、作新工業、丹青社の3社は耐粉塵スライドレールの全国の物販店舗などでの実用化に向け、金物部品メーカーとも協業し、顧客の課題解決に貢献できる製品づくりを推進していくとしている。