三菱ケミがアルビオンと協業 化粧品容器の資源循環目指す

2025年03月03日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルグループは2月28日、化粧品容器の資源循環型モデル構築をめざし、高級化粧品の製造・販売を行うアルビオンとの協業を開始したことを発表した。アルビオンにて発生する廃棄資材を同社グループでケミカルリサイクルし、新たな化粧品容器へ再生する。

 化粧品容器は、容器メーカーからアルビオンに納品される際、キズ防止のためプラスチック製の緩衝材や、埃の混入を防ぐためのポリ袋などで梱包されている。これらの梱包資材は、これまでは廃棄物としてサーマルリサイクルされていた。今回の協業では、使用済みの梱包資材を回収し、同社グループの茨城事業所(茨城県神栖市)に新設したケミカルリサイクル設備にて油化し、ポリプロピレン樹脂に再生したのち、化粧品容器の材料として使用する循環型モデル構築を目指す。アルビオンでは、2025年内を目途に再生プラスチックを容器に使用した新製品を発売する予定。
 なお、本協業において、緩衝材の回収・資源化をリファインバースグループが、再生ポリプロピレン樹脂の製造を日本ポリプロが担う。

 同社グループは国内最大規模となる年間2万トンの処理能力を備えたケミカルリサイクル設備を2024年11月に新設した。英Mura Technologyの技術を導入した本設備は、「超臨界水」と呼ばれる高温・高圧の状態の水の中で廃プラスチックを分解し、リサイクル生成油に再生する。リサイクル生成油を石油製品や化学品、各種プラスチックへと再製品化することで、高効率なケミカルリサイクルの循環が実現する。

 本協業をはじめとして、同社グループは外部パートナーと連携することで、今後もクローズドループの適用・拡大に取り組んでいくとしている。

三菱ケミカル茨城事業所に新設したケミカルリサイクル設備

三菱ケミカル茨城事業所に新設したケミカルリサイクル設備

 

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー