古河電気工業が開発 次世代通信機器用筐体

2025年03月03日

ゴムタイムス社

 古河電気工業は2月28日、比誘電率と誘電正接を低減する低誘電材料「Smart Cellular Board」を用いた次世代通信機器用筐体(レドーム)を開発したと発表した。
 比誘電率と誘電正接を低減する低誘電材料であるSCBを用いた次世代通信機器用筐体(レドーム)を開発した。設置環境に応じて、SCBシリーズ内の強度・防水性・耐候性など様々な特徴を持つグレードをカスタマイズした筐体(レドーム)設計も可能で、複合体とすることにより性能を補い合い、単一素材では難しい要求性能を満たす。
 例えば、筐体(レドーム)を屋外設置する場合や高周波領域での通信においては、赤外線の輻射熱やアンテナ基板の電力消費により筐体内部の温度上昇が問題となる。従来の筐体に用いられるABS樹脂は強度や耐熱性に優れているが、赤外線照射による熱の影響を受けやすく、一方、SCBは赤外線領域で高い反射率を発揮するグレードを有しており、筐体の外装に取り付けることで、遮熱板の効果を発揮し、輻射熱の影響を低減することが可能となる。
 SCBは、エンジニアリングプラスチックやスーパー・エンジニアリングプラスチックなどの耐熱性に優れた樹脂に気泡を生成し、もともと低誘電な様々な樹脂をさらに低誘電化できる素材。そのため、各素材の比誘電率(Dk)と誘電正接(Df)を低減させ、Dkに基づく反射を抑制することで、電波透過率(透過強度)を高め、効率的に電波を伝える必要がある通信機器筐体に適している。
 従来の筐体設計に用いられたソリッド品では、周波数帯によって電波透過率が大きく異なるため、素材選定や筐体の板厚、電波の入射角度等の複雑な設計が必要となり、帯域変更や広帯域対応の際は設計し直す必要があった。SCBは、周波数帯による電波透過特性の変化が小さく、Sub6(3・7GHz帯、4・5GHz帯)~Dバンド(110ー170GHz)と広い帯域において高い電波透過率を維持するため筐体(レドーム)構造設計が簡単になり、マルチバンド対応も可能となる。
 同社は今後もSCBの独自技術を生かし、顧客の要望に適した素材開発を進めることで、Beyond 5G/6G社会の実現に貢献していく。

次世代通信機器用筐体レドーム

次世代通信機器用筐体レドーム

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