日本ゼオンの100%子会社である瑞翁貿易は3月3日、上海恩捷新材料科技股份の関係会社である珠海辰玉新材料科技(辰玉社)と、リチウムイオン電池に使用される負極用バインダーを販売する合弁会社を設立することで合意したと発表した。合弁販売会社は25年4月末に設立予定。
新たに設立予定の合弁販売会社は、同社が辰玉社に供与するリチウムイオン電池負極用バインダーに関する製造技術および知的財産権等に基づきライセンスされた製品を、独占権をもって中国国内市場に限定して販売していく。
今回の提携を通じ、セパレーターの中国市場シェアNo・1を誇るSEMCORPの販売チャネルを活かすとともに、同社がこれまで培ってきた負極用バインダー技術と辰玉社の製造コスト競争力を融合させ、中国国内市場における負極用バインダー事業の更なる拡大を目指す。
同社は、中期経営計画STAGE30における磨き上げる既存事業のひとつに電池材料を掲げており、リチウムイオン電池負極用バインダー事業の拡大を通じて、「持続可能な地球」と「安心で快適な人々のくらし」に貢献する。
合弁販売会社の商号は、上海辰翁新材料科技、出資比率は辰玉社51%、瑞翁貿易49%、設立は2025年4月末(予定)、事業内容は、リチウムイオン電池負極用バインダーの中国国内市場への販売、資本金は1000万人民元、所在地は、中国上海市(SEMCORP本社内を予定)となる。