住友ゴムが受賞 アクティブトレッド技術で 

2025年03月10日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業は3月6日、3月4日~6日にドイツ・ハノーバーで開催された「Tire Technology Expo2025」内で開かれた「Tire Technology International Awards for Innovation and Excellence」において、「アクティブトレッド技術」が「R&D Breakthrough of the Year」を受賞したと発表した。
 3月4日に開催された授賞式には、材料開発本部材料企画部長、馬渕貴裕氏、Sumitomo Rubber EuropeマネージングディレクターDr・Bernd Löwenhauptとジェネラルマネージャーの児島良治氏が出席した。
 「アクティブトレッド」は、ゴムの中に路面状態の変化に反応する2つの「スイッチ」を組み込むことでポリマーの動きをコントロールすることに成功した。1つ目の「水スイッチ」では、ゴム内のポリマー間の結合の一部を「共有結合」から水で脱着できる「イオン結合」に置き換えた。
 水に触れて「水スイッチ」が働くことで、ゴム表面が柔らかくなり、ウェット路面でグリップ性能が向上する。さらに、2つ目の「温度スイッチ」では、低温では混ざり、高温になると分離するコンセプトの素材を開発した。この「温度スイッチ」が働くことで、低温で柔らかくなり、氷上路面でも柔らかくグリップするという従来からある素材とは、逆の性質を示す。
 同社は2023年3月に、タイヤ事業における独自のサーキュラーエコノミー構想「トワノワ」を発表した。「トワノワ」はバリューチェーン上の5つのプロセスからなる「サステナブルリング」と各プロセスから収集したビッグデータを連携させる「データリング」で構成しており、二つのリング間でデータを共有・活用することで新たな価値提供を目指す。「トワノワ」の「材料開発・調達」プロセスにおいて、アクティブトレッド技術の開発で得られたデータを活用することで、より高機能で高品質なタイヤの開発を推進する。「トワノワ」を通じ、同社はESG経営の推進を更に加速させ、2050年のカーボンニュートラルの実現と持続可能な社会の発展に貢献していく。

授賞式の様子

授賞式の様子

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