ダイセルは3月11日、環境にやさしく、化粧品として配合した際に柔らかな感触を与える酢酸セルロース真球粒子「BELLOCEA」の新たな品番「BS7」の販売を開始したと発表した。
「BELLOCEA BS7」は化粧品に使用されるマイクロプラスチックビーズに代替可能な天然由来の真球粒子となる。同社従来品より生分解性を高めることに成功した。
BELLOCEAは、同社の長年の主力製品である酢酸セルロースを独自技術で加工して開発した、真球状の化粧品用マイクロビーズ代替粒子となる。
酢酸セルロースは「酢酸」と植物由来の「セルロース」を原料とした環境にやさしい素材で、土壌やコンポスト(廃棄物中)だけでなく、海洋でも生分解されることが確認されている。
化粧品に使用されるマイクロビーズが海に排出されることによる環境問題が懸念される中、天然由来で生分解性を持つ代替可能な原料への期待が高まっている。欧州では、マイクロビーズを使用した化粧品販売を2035年には完全に禁止する措置を発表しており、特にグローバルな化粧品メーカーにおいては、マイクロビーズの代替原料への置き換えが進んでいる。同社では、こうした市場ニーズに応えてBELLOCEAを開発した。
ファンデーションなどに用いられる感触改良剤は、柔らかな感触を付与する目的で使用されているが、従来のマイクロビーズのような柔らかな感触と生分解性の両方を兼ね備えた粒子の開発は難しいとされている。しかし、BELLOCEA BS7は、表面が平滑で真球という形状特性から、マイクロビーズと同等の繊細で柔らかな感触を実現し、欧州での生分解試験基準にも適合する高い生分解性を持っている。
BELLOCEA BS7は、欧州を皮切りに広がりをみせる年平均成長率10%以上が見込まれる化粧品用マイクロビーズ代替粒子市場において拡販を目指す。
今後も同社の技術を活かしたサステナブルなモノづくりを推進し、世界中の方々と地球にとっての「美と健康」に貢献していく。
2025年03月12日