クラレトレーディングが受賞 繊研合繊賞のテクニカル部門賞

2025年03月12日

ゴムタイムス社

 クラレトレーディングは3月11日、速乾性とドライ感に優れた繊維「エプシロン」の開発において、第55回「繊研合繊賞」の「テクニカル部門賞」を受賞したと発表した。繊研新聞社主催の「繊研合繊賞」は、化合繊業界の発展を期待し優れた素材、技術開発、マーケティング活動などに贈られるもので、今回で55回目となる。3月6日に東京都中央区のロイヤルパークホテルで贈呈式が行われた。
 「エプシロン」は、繊維自体の疎水性が高いため吸水速乾性に優れ、撥水剤なしでも撥水性を発揮し、PFAS(有機フッ素化合物)フリーの課題に対応する点などが高く評価された。
 従来、速乾性を有する繊維はポリエステルが主流であり、より高い機能が求められる用途では撥水加工を施すことが一般的だった。しかし、撥水加工には洗濯による機能低下や、加工剤による環境への悪影響といった課題があった。
 同社は、出光興産が独自開発したスチレン系樹脂・ザレック(シンジオタクチックポリスチレン(SPS))と、同社グループが持つ溶融紡糸製造技術を組み合わせることにより、「エプシロン」を開発。SPSは、分子構造から疎水性を有す。この特長から、撥水加工を施すことなく、衣料やスポーツ用品などに求められる優れた速乾性やドライ感による着用時の快適性向上に貢献するユニークな繊維となった。

贈呈式の様子

贈呈式の様子

同社クラベラ事業部長上野裕樹氏

同社クラベラ事業部長上野裕樹氏

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