三ツ星ベルトの一般産業用伝動ベルトの24年度第3四半期はほぼ計画通りに推移している。国内と海外をみると、国内では、ユーザーである射出成形機や工作機械の生産が戻っておらず、「伝動ベルトの販売も復調していない」(同社)。海外は為替に加えて、農機用やOA機器用が伸長しており、海外全体の販売は前年を上回った。農機用はOEM向けのシェアが広がっている。補修用もアセアンや欧米で需要の取り込みを進めており、戦略として掲げてきた施策が実を結びつつある。
一般産業用のタイミングベルトは、ロボットや半導体製造装置、射出成形機において採用拡大に向けた製品開発や営業活動に力を注いでいる。ユーザーの「コンパクトに設計したい」「騒音を抑えたい」「高速化に対応したい」という求めに応えるべく、同社は「ギガトルクシリーズ」「メガトルクシリーズ」などをラインナップする。うち、メガトルクシリーズの最上位グレード「メガトルクGⅢ」では、従来の14ミリピッチに加え、8ミリピッチをラインナップに追加している。メガトルクGⅢは、高トルク化によりベルト幅を狭くすることができ、コンパクト設計に対応、機械の軽量化が図れる、さらにベルト騒音の低減につながる点を特長としている。
「メガトルクGⅡ」では、従来の8ミリピッチ(MTS8M)に加えて3ミリピッチ(MTS3M)と5ミリピッチ(MTS5M)を近々発売する予定。MTS3MとMTS5Mは、ロボット駆動用に最適な「高伝動容量シリーズ」として開発した。歯形は、ISO準拠のSTPD歯形に対応しているので、標準プーリで使用可能(プーリのオーダ製作が不要)。スカラロボットや多関節ロボット、溶接ロボットでの採用に期待を寄せる。
節電・省エネ対策に貢献するVベルト「e-POWER(パワー)シリーズ」は、24年度も安定した販売を示している。「省エネ対策の部品としてe-POWERの需要はまだまだ期待できる。ビルなどで多く使用されている排送風機以外にも、大型送風機など設置している工場設備でも、省エネ効果が期待される」とし、「更なる節電効果を実現する製品開発を進め、4月1日より新製品「e-POWER NX」の発売を開始する。e-POWERシリーズなどの環境配慮型製品を通じて社会に貢献したい」(同社)と力を込める。
営業方針では対面を重視した活動に注力していく。「コロナ禍でお客様との接点が薄らいでしまった。今一度その接点を取り戻すため地道な営業活動を続けながら、三ツ星ベルトグループとしてお客様にご満足していただける販売体制を構築していきたい」(同社)としている。
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