東レは3月12日、アクリル短繊維トレロンについて、バイオマス由来特性や廃棄プラスチック由来特性等をマスバランス方式によって割り当てた製品の量産を2025年4月より開始することを発表した。なお、アクリル短繊維トレロンは、持続可能な製品の国際的な認証制度の一つであるISCC PLUS認証を取得済。
同社は、繊維事業において環境配慮型素材を活用した高感性・高機能商品による成長領域での事業拡大を成長戦略に掲げ、ナイロン繊維、ポリエステル繊維を中心にリサイクル・バイオ化に取り組んでいる。アクリル繊維はこれらの素材とは異なり、リサイクルに必要となる単一材料で構成された廃棄原資に乏しいことから、環境負荷を減らす取り組みに課題があったが、アクリル短繊維トレロンにマスバランス方式を採用することで、環境に配慮した高付加価値な製品を提供することが可能になった。
さらに、今後はサプライチェーンでの協業により製品のLCA検証を進め、HiggーIndexへの登録に向けた申請・審査を進めていく。
同社は、「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」において「資源が持続可能な形で管理される世界」を、2050年に目指す世界のひとつとして、資源の枯渇問題、大量のゴミによる海洋汚染、CO2排出などさまざまな課題に対して、廃棄されたプラスチック製品や工程端材のリサイクル、原料のバイオ化、使用するエネルギーの再エネ化や水素化などさまざまな技術で取り組んでいる。また、リサイクル・バイオ化推進において、同社グループはマスバランス方式を採用している。
今後も、持続可能な循環型社会を実現するために研究・技術開発を推進し、企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の具現化に取り組んでいくとしている。