NOKとサーモンテックは3月12日、2025年3月より、ウェアラブルエコー(超音波)センサの共同研究プロジェクトを正式に始動し、研究開発用プロトタイプの提供を開始することを発表した。本共同研究を通じて、医療・ヘルスケア・スポーツ分野向けの柔軟かつ軽量なウェアラブルエコーセンサを開発し、医療機器として2026年の上市を目指す。超音波計測をより身近なものとし、健康管理やスポーツパフォーマンス向上など、新たな価値を社会に提供していく。
近年、健康管理やリハビリテーション、スポーツトレーニングなどの分野において、身体の状態をリアルタイムで計測・可視化する技術の需要が高まっている。超音波による画像計測は非侵襲的で安全性に優れ、人体や生体膚報をセンシングするうえで注目を集めている。一方で、従来のエコーセンサはサイズや形状の制約が多く、長時間にわたる撮影や日常生活での利用には向きづらい面があった。
そこでNOKとサーモンテックは、ウェアラブルエコーセンサの開発・製品化を通じて、超薄型・軽量かつ高精度な超音波センサ技術の社会実装を目指していく。
共同研究の概要と目的は以下の3点が挙げられている。
1点目はウェアラブルエコーセンサの開発。人体に装著する薄く・軽く・フレキシブルな超音波センサで、リアルタイムに高精細なエコー画像を取得できる製品を開発する。日常生活やスポーツシーンなど幅広い場面での利用を想定している。
2点目は技術の融合による高い信頼性と実用性の実現。NOKの有する生体に優しい導電性のゴムや柔軟なFPC、精密な組み合わせ加工といった高度な材料技術・製造技術と、サーモンテックが培ってきたゾルゲル複合圧電体製造技術、超音波センシング技術を組み合わせ、信頼性と実用性に優れた製品を市場に提供する。
3点目は医療・ヘルスケア・スポーツ分野での新たな価値創出。医療・ヘルスケア・スポーツ分野における定量的データ活用により、将来的には疾患の早期発見やリハビリ効率の向上、アスリートパフォーマンスの最適化など、多様な展開を可能にする。
ウェアラブルエコーセンサは、NOK独自のゴム材料技術、加工技術、そして柔軟なフレキシブルプリント基板をサーモンテックのゾルゲル複合圧電体と組み合わせることで、高い柔軟性と耐久性を持つエコーセンサを実現している。薄く、軽く、フレキシブルで、人体に不快感なく装着できる高性能なセンサとなる。
本共同研究を通じ、両社の強みを掛け合わせたイノベーション創出を進め、2026年に医療機器としての販売を目指す。超薄型・軽星という特長を活かし、長時間の装著が必要となるシーンにおいてもストレスフリーなセンシングを可能にし、さらにクラウド上でのデータ活用やAl解析との連携も視野に入れている。