グローバルに事業を展開する化学品商社兼メーカーのハイケムは3月14日、次世代通信の実現に不可欠な基板材料である低誘電樹脂の原料及び高機能モノマーの取り扱いを強化することを発表した。取り扱い強化にあたり、中国深圳市の新興メーカー「深圳市低介新材料」と販売代理店契約を締結し、機能性樹脂モノマーCMS(クロロメチルスチレン)及び低誘電基板材料の重要原料となるBVPE(1,2ービス(4ービニルフェニル)エタン)における製造技術の共同開発及び日本国内における市場開拓をこのほど開始した。
生成AIの普及やビヨンド5G・6Gへの通信インフラの更新・増設に伴い、高周波、高速、大容量、低遅延通信に対応した次世代通信材料の需要が拡大している。特に、基板内を流れる信号の伝送・損失を抑えられることができる「低誘電樹脂」は、次世代通信基板材料として高い注目を集めており、市場が拡大している。
一方で、その基幹原料となる機能性樹脂モノマーは、製造難易度の高さからサプライヤーが限定されており、市場の需要に供給が追いついていない状況にある。
このような環境の中、同社は高度な技術力を有する中国の新興メーカー低介新材料社と販売代理店契約を締結した。本契約により、低誘電樹脂向けの高機能原料及びモノマーの安定供給体制を構築し、顧客のハイエンドな製品開発における原料調達の課題解決に貢献していくとしている。