三菱ガス化学は、米国スタートアップ企業であるReSource Chemical(ReSource社)に対し、(シリーズシードプラスラウンド)に出資することを決定した。シリーズシードプラスラウンドとは、スタートアップ企業が資金調達を開始しており、本格的な起業を行う直前の段階。
ReSource社は米国スタンフォード大学の研究成果を活かし、木材由来の非可食バイオマスであるリグノセルロースを利用したFDCA製造プロセスに取り組んでいる。同プロセスでは、二酸化炭素を用いたカルボキシル化反応を組み合わせ、高収率、低コスト、低環境負荷のFDCAを製造する技術の開発に焦点を当てている。FDCAはバイオマスプラスチックであるPEFの原料モノマーとして注目されている。
ReSource社が調達した資金は、FDCAの製造に向けたパイロットライン設備の設置に充てられる。同社は特に、FDCAの製造に必要な中間体生成物であるフロ酸に着目し、ReSource社からの調達を計画している。同社はこのバイオマス原料を活用し、市場開拓に積極的に取り組む。今回の出資により、ReSource社はさらなる成長と展開を目指し、新たな市場での展開や製品開発を加速させることが期待されている。
同社は、2024年を初年度とする中期経営計画「Grow UP 2026」において、「サステナビリティ経営の推進」を目標の一つに掲げ、「カーボンニュートラル実現に向けた取り組みの加速」を定め、様々な取り組みを進めている。
バイオマス由来の原料調達については、2050年カーボンニュートラル達成に向けて重要な技術と位置付けている。
2025年03月17日