先端機能材料と化学ソリューションの世界的リーディングプロバイダであるサイエンスコは3月14日、同社独自の界面活性剤フリー技術を使用した高性能パーフロロエラストマーの新シリーズを発表した。テクノフロン FFKM NFS製品は、半導体製造やその他の非常に要求の厳しい市場向けに広く使用されている同社のFFKM製品ラインナップをさらに拡大するために、特別に設計された。
この新製品は界面活性剤を全く使用せずに製造された初の商業用FFKM材料として、業界のサステナビリティへの要望に応えるもので、同社の全製品ラインにおいてフッ素系界面活性剤の使用を段階的に廃止するという公約の一部となる。
さらに、同社はChain of custody(原料から製品までの加工・流通のサプライチェーンの管理連鎖モデル)であるマスバランス方式を適用して、一定のサーキュラー原料含有率が認証されたNFSパーフロロエラストマーシリーズの上市も予定している。これは、より高いサステナビリティを求める顧客の要望に応えるものであり、重要な採掘鉱物である蛍石への外部依存を減らすことにより、フッ素のサプライチェーンの強靭性を向上させることを目的としたEUの重要原材料法の目的に沿っている。
半導体ドライ用途または高耐熱産業用途向けのテクノフロン PFR 6055Bと、耐プラズマ用途向けのテクノフロン PFR 6265Bを最初に上市予定。この2つの新しいFFKMグレードはイタリアのスピネッタ工場で製造され、2025年4月より市販される予定。
その後、ウェットプロセス用途や超高温用途向けのグレードが続々と登場する予定。FFKMの代表的な用途には、半導体用シールやOリングのほか、ハイエンドの輸送機器用Oリングや工業用Oリングがあり、この分野では循環型社会の実現とフッ素系界面活性剤含有製品の使用廃止によるサステナビリティの向上への要望が加速している。