住友ゴムが東北大学と設置 シンクロサイエンス共創研究所

2025年03月27日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業は3月26日、東北大学と、2025年4月1日に「住友ゴム×東北大学次世代シンクロサイエンス共創研究所」を東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センターに設置すると発表した。
 現在の科学技術の最前線を超えて、放射光技術を用いた材料解析の進化、さらに新素材の開発、環境技術の推進、AI活用のデータ解析を通じて、持続可能な社会の実現に向けた産業革新を目指す。
 「住友ゴム×東北大学次世代シンクロサイエンス共創研究所」は、同社の強みである放射光技術と東北大学の研究力を融合した活動を起点とし、材料解析の進化と新素材の開発を加速させる。さらに、東北大学の研究資産を活用し、分野を超えた活動によるイノベーション創出を行い、持続可能な社会の実現に向けた産業革新を目指す。
 同社の企業理念体系である「Our Philosophy」のパーパスは「未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる」となる。これを具現化するための取り組みとして、2023年に発表した中期計画では、将来を見据えた材料開発を次世代放射光施設「ナノテラス」をはじめとした最先端の施設や設備を活用して進めている。
 同社はこれまでも東北大学とさまざまな分野で共同研究を実施し、優れた研究成果を上げてきたが、「次世代シンクロサイエンス共創研究所」の設置により、その取り組みの範囲を広げ、さらに加速させていく。
 東北大学が2021年4月に創設した「共創研究所」制度は、大学内に企業との連携拠点を設けるとともに、大学の教員・知見・設備等に対する部局横断的なアクセスを可能とする。これにより、共同研究の企画・推進、人材育成、及び大学発ベンチャーとの連携をはじめとする多様な連携活動を促進する。
 同社は2023年3月に、タイヤ事業における独自のサーキュラーエコノミー構想「トワノワ」を発表した。「トワノワ」はバリューチェーン上の5つのプロセスからなる「サステナブルリング」と各プロセスから収集したビッグデータを連携させる「データリング」で構成しており、二つのリング間でデータを共有・活用することで新たな価値提供を目指す「トワノワ」の「材料開発・調達」プロセスにおいて、今回の共同研究で得られたデータを活用することで、より高機能で高品質な新材料の開発を推進する。
 「トワノワ」を通じ、同社はESG経営の推進を更に加速させ、2050年のカーボンニュートラルの実現と持続可能な社会の発展に貢献していく。

左から同社研究開発本部フェロー 兼先進技術・イノベーション研究センター長、岸本浩通氏、本部長上坂憲市氏、執行役員水野洋一氏、取締役常務執行役員村岡清繫氏、東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センター長、千葉大地教授、蟹江澄志 教授、副センター長髙橋幸生教授、矢代 教授

左から同社研究開発本部フェロー兼先進技術・イノベーション研究センター長の岸本浩通氏、本部長上坂憲市氏、執行役員水野洋一氏、取締役常務執行役員村岡清繫氏、東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センター長の千葉大地教授、蟹江澄志教授、副センター長髙橋幸生教授、矢代航教授

 

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