三菱ケミら6社が覚書締結 SAF等製造事業の商用化へ

2025年03月28日

ゴムタイムス社

 日本航空、丸紅、三菱ケミカル、中国木材、ボーイングジャパン、大林組の6社は3月27日、国内の森林資源から持続可能な航空燃料、バイオナフサ、バイオディーゼルを製造・販売する事業についての事業性調査を目的とした覚書を締結したと発表した。
 日本は世界有数の森林資源保有国であり、間伐材や木材利用により生じる残渣などは、その潜在量からサステナブルな原料として期待されている。また、資源循環の観点からも、高層ビルを含む大型木造建築物への木材利用が注目を集めており、それに伴い発生する残渣の活用機会の増加が見込まれている。
 同調査は、Licella社の製造技術を用いて、木材残渣からバイオ原油を製造し、それを改質・精製し、SAF、バイオナフサ、バイオディーゼルといった製品を製造する国内地産地消型のサプライチェーンを構築することを想定している。具体的には、事業の経済性評価、原料の供給・処理システムの検討、製造プロセスの検討、製品のロジスティックスの評価、CO2排出量削減効果の評価などを行う。
 同調査期間は2025年12月までを予定しており、同調査が進んだ場合2030年ごろの商用化を目指す。
 同調査における各社役割は、JAL(製造事業検討主体・SAF利用に向けた検討)、丸紅(製造事業検討主体・同調査全体取り纏め・各製品利用に向けた検討)、三菱ケミカル (製造事業検討主体・技術評価支援・バイオナフサ利用に向けた検討)、中国木材(原料調達・供給方法の検討)、ボーイング(技術認証関連の支援)、大林組(バイオディーゼル利用に向けた検討)となる。
 同調査に参画する6社がこれまでの知見を持ち寄って相互に連携することで、脱炭素製品の国産化を実現するとともに、日本各地に森林資源を活用した新たな産業をつくり、地域の活性化を促す。また、森林資源循環を促進することで炭素固定化、水源涵養、災害防止といった日本の森林の課題解決にも貢献することを目指す。

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